虚シコウ

粗い構成!薄い内容!ほとばしる素人意識!AI社会で虚快に暮らすヒント!

ハゲるのはダイエット法の一種ではないし、うんこに「重便」の称号は渡せない

まず、白血病治療期間(寛解導入療法期)の体重変化グラフを眺める。

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56kgからゴリゴリ減り続けて、49kgまで落ちた。BMIを算出すると16.5、これは正真正銘言い訳のきかないガリだ。

BMI16.5ってかつてはスーパーモデル体型と呼ばれていて、言わば世界中の美人達が理想とする数値だったらしい……が、2017年にフランス政府がBMI18.5以下のモデルの活動を禁止する法律を定めてからは、「ちょっとガリじゃね?ちょっと太らない?太った方がモテるよ」と、逆新庄・スモールボスの価値観が広まっていったようだ。「普通の体型が健康的だよね、だって"普通"なんだからな!」と世界が気づいたのがわずか5年前だという事実、明るい虚しさに溢れていて最高です。

まあとにかく僕は不健康で異常なガリだという訳なので、一時退院期間中にウェイトをつけたいな…と思いデブ活したところ、退院直後の1日で+1.5kg、上記の図の範囲外の記録ではあるが再入院までの6日間で+3kg増やした。…まあまあの成果か?

 

 

...と、このグラフを眺めながら

  • ハゲるって一種のダイエットかもな
  • そういや利尿剤使っておしっこしまくった時期体重減ってるな
  • いや、おしっこでセコセコ減量グラム数稼ぐよりうんこ一発出しときゃしまいなのかな

と色々考えた時に調べた情報をまとめます。

髪の毛の重さ

髪の毛1本の質量が『約0.00087g』 *1
総本数が『約10万本』*2

すなわち、平均的な髪を蓄えている人が一気につるっパゲにしたとしても

0.00087×100000 = 87(g)

と、精々100g減のダイエットにしかならない計算となります。

 

余談ですが、この結果を見て私的に連想するのが柔道やボクシングでの試合前体重測定です。以前、プロ柔道選手を目指す女子小学生?の成長を追ったドキュメンタリー番組(以前といってもたしか10年程前の記憶なので番組タイトルは思い出せそうにない)にて、体重測定で2kgほど上限を超えてしまい、結果試合に出られなかったシーンをみた時、「いやまずはその長い髪切れよ!そしたら結構体重減らせるのに、よく考えろ!」とムダに強くツッコんでしまったのを覚えています。ただ、よく考えるべきだったのは当時のガキ、自分の方でした。2000gに対して100gではどうしようもない、というかもし測定会場で泣きながら坊主にされていたのならばそれは撮れ高に貪欲なTV番組スタッフの汚い指示でしょう。

 

おしっこの重さ

尿には身体の老廃物が含まれるので、純水よりも比重は高く 『1.010~1.030』 とされている…ものの、まあ我々素人は大雑把に比重1、つまり1mL=1mg だと覚えていればよろしいでしょう。

また、1日当たりの排尿回数は大半の人で『約4~6回』という情報は大体どこのサイトでも共通しています。

問題は1日あたりの排尿量で、広く幅とっているものだと
『700ミリリットルから3リットル程度』なんて情報もありますが、
『体重1kgあたり20~25mL程度』
*3
という説明が管見だと最も分かりやすいか。つまり健康的な一般男性だと、

約1500mL = 1500g

となります。

 
うんこの重さ

理想的な一日の排便回数は1~3回、理想的な1回あたりの便の重量は150~200g*4とすると、

175×2= 350g

が健康的な人の便の重さだと計算できます。…意外とうんこって大した事ないんですね。おしっこ一回分とほぼ変わりません。

うんこは「大便」ではあるが「重便」にあらず、
おしっこは「小便」ではあるが「軽便」にあらず。

 

「空虚」の対義語は「トンカツ」

長期入院によって人の価値観はどう変わっていくのだろうか?

僕の場合は意外や意外、「食」の価値観に圧倒的な変化があった。

 

これまで、食への関心は人よりかなり薄い方だったかと思う。

朝食はフルグラやクリーム玄米ブランで済ますか、何も食べない、または寝てるか。朝食の為に起きようなんて気は微塵もない。
昼食も夕食も特に何も考えていない。そもそも昼と夜の区別をしてない。適当に空いてる時間に、そこら辺にある物で胃の中を「埋め」て、サプリメントで栄養を補う感じ。
認知症チェックでよく使われる質問の「昨日何食べましたか?」、答えられません。食についてはボケボケでピントを合わせてこなかった。

 

なので入院初期は、朝昼晩決まった時間に決まった量の食事を取るというミッションを遂行せねば!という意識だった

…のだが、
薬の副作用による倦怠感が消えてくると、徐々に「食」への欲望が溢れだしてきた。

 

朝食にソーセージが2本ついてきた時は無意識にガッツポーズをしてしまった。

空に伸びている自分の腕の存在に気づいた後も暫くその腕を降ろさなかった。これは全く過剰なリアクションではなく、ソーセージへの崇拝心を示すための理に適った行為であるからだ。

 

毎日グルメ動画を垂れ流していた。無意識にYouTubeの検索ボックスに入力している、

焼肉、寿司、ラーメン、
マック、ケンタッキー、
屋台飯、普通の家庭料理、
Japanese food、delicious food、cuisine、
中国韓国American もうなんでも国名入れ替え取っかえで食の世界に国境はなし、
何故か幾度となく調べてしまう「セブンの金のボロネーゼ」は純金を凌ぐ輝きを放つし、

「MAX鈴木」「ラスカル新井」「松重豊」の日本三大大食いファイターには惚れ惚れする。オレ様の人選に異論は認めない。なに、「MaxSuzuki TVチャンネル」、「大食いらすかるチャンネル」、そして「孤独のグルメ」を一通り観てもらえれば文句の浮かびようがあるまい。

ニコニコ動画も勿論チェックする。大体、パンツマンの食事風景と日雇礼子のドヤ飯探訪のいずれかに辿り着いてしまうけど。

 

食がもう、ヤバいです。

なにがヤバいって、もうね、ヤバい

 

記事冒頭で「人生の意味に対する考えやらは特に変わってない」とかフいてたけど、やっぱり本当は変わってますね。

美味いものを食べる為に人生はある、と。

 

「いいかい学生さん、
トンカツをな、
トンカツをいつでも
食えるくらいになりなよ。」
(出典:『美味しんぼ』11巻)


人生を取り巻く虚しさはトンカツが埋めてくれます。

トンカツが食べられる日を夢見てもうしばらく生きぬきます。

 

……と、ここまでの文章が一時退院前に書き残したメモであったが、あれからもうトンカツにはありついたんですね。

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うん、なるほど、これが「僥倖」の正体か。

この僥倖を『いつでも食える』ようになる事を今後の目標に定めときます。

それから、フランクルが提唱した「実存的空虚」の対義語は「トンカツ」、異論は認めない。…ただしどうしてもと言うのなら、焼肉寿司ラーメン、あと他に美味そうなものなら何でも認めよう。

POPな虚しさ溢れる看護師さんのセリフ3選

体調管理や採血等処置を行ってくださる担当看護師は、晩~翌夕の一日交代制である。だから長い目で見ると、多くの看護師が部屋を訪れては数十%の確率で印象的なセリフを残して去ってゆく、という一連のくだりが幾度となく繰り返されることになる。

中でも特に印象的だったセリフを3つ選んで記録する。初めに断っておくと、多分僕以外の第三者が聞いてもあまり心は動かない。そこで得られる「虚しさ」を是非味わっていただこう。

 

 

指先の酸素濃度はね、人生の点数だから。

パルスオキシメーターを使って指先で血中酸素濃度を測定したら「100%」と表示された時、頼もしいベテラン看護師(その病棟の副看護長を勤めていた)から、真剣なトーンで
「おお、素晴らしい。指先の酸素濃度はね、人生の点数だから。私はいつ測っても98、99で、100は出ない。」
と言われた。
ありがとうございます!と答えたあとすぐ、「ん、酸素濃度が人生の点数…?」と引っかかった…のだが、特にボケた様子ではなかったので、まあ何かしら褒めようとしてくださって咄嗟に出たセリフだろうと思い、特に何も言わなかった。
ただ、このセリフに深い意味や経緯が込められていた可能性が微かに残ってはいるよなあ、人生いつも結構高得点なんだよって事かな……等と考え出したのは退院後、というか今。
やっぱりあの時聞いてみたら良かった。

 

ちなみに、その翌朝、同じ看護師さんに測定してもらった指先酸素濃度は98%。はい2点落としたー。
…看護師、ノーコメントだったな。多分昨日の自分の発言など忘れているとは想うけど、この時僕が「98、人生の点数か。」と呟いていたら、何か違う展開はあったのか。少し気になる。

 

OKです!

若手の看護師さんからしばしば聞いたセリフ。文字に起こすと、なんて事ないセリフ。でも印象に残った理由は、ズバリ「ニューヨーク嶋佐のOKです!だったから。」

キングオブコント2021決勝でも披露されたニューヨークのネタで登場する「OKです!」。

日本一元気な朝番組こと「ラヴィット」では、2022年の夏時点でも未だに、超流行ギャグかのように擦られているネタだということまでは知っている。

それとイントネーションが抜群に近かったんだよなー。あれはどうなんだ、確信犯(誤用警察の来訪は遠慮しております)だったのか?いや冷静に考えたら、目元にテープも貼っていないし片手サムズアップ👍🏻もしていなかったのでその可能性は低いのだが、ちょっとあまりにも声の雰囲気が似ていたので、患者に(あるいは他の看護師とかにもやってる?)バレないかチャレンジでもしていたのかなという疑念が消えない。

あれは一体

 何だったのでしょうか……💀👿🎃👻

 

コンピュータサイエンス専攻って事は、コンピュータ持ってるの?

若手の看護師さんに今は大学院生だと伝えたら、どんな研究をしているのかを聞かれた。自分の直接的な研究テーマである自然言語処理分野をわかりやすく伝えるには時間がかかるし、こういう場繋ぎ間埋めトークの時はひどまずオタクっ屁を漂わせぬザックリとした説明がいいので、

「専攻はコンピュータサイエンスで、プログラミングとかAIとかをやってます」

と答えたら

コンピュータサイエンス専攻って事は、コンピュータ持ってるの?」

と聞かれて、反射で

「机の上、ここにありますwwwww」

と言った。すごいヘラヘラしながら。このヘラつきが、物凄く相手をバカにしている感じになってる気がして、咄嗟に

「いや、なんだか元気になった気がします」

と、ただ自分がスッキリするためだけのナゾ弁明を先程の「wwwww」に覆い被せるように付け加えた。

 

いやーでも、今までに出会ったことの無いタイプの質問だったから。実際バカにするどころか寧ろ「すげー」と思ってしまった、 、、「すげー」って感想もきっと違うし失礼だけど。

コンピュータ専攻の自分がコンピュータを持っているというのは当然周知の事実だと思うその過剰な自意識、奢り昂り言語同断。あるいは、場繋ぎ間埋めトークが如何に「場繋ぎと間埋め」でしかないかの確認、完了しました。実際、この会話後ちょっと体調良くなったから、感謝しかない。

 

 

……と、印象に残ったセリフを選定してみたわけだけど、こうなるんだな。シチュエーションが少し変わればコロッとインパクト薄まりそうなことばばかりが印象に残っている。

ことばって本当文脈次第で、儚い。

そしてこの虚しさが、僕は非常に好きです。

改めて「虚シコウ」という概念について整理する

当たり前、常識のような素振りをして「虚シコウ」というタイトルのブログを更新しているわけですが、勿論この「虚シコウ」はただの個人的な造語です。そして、自分が自分なりに世界や人生を理解するために導入した概念であり、故に長いこと考えている概念でもあります。

今このタイミングで改めて「虚シコウ」という概念についての考えを整理します。


 「虚シコウ」の仮定方程式

虚 × シコウ = ∞

「虚シコウ」の仮定図

式・図ともに初出は2020年1月、つまり約2年半前の本ブログ最初の記事。そこから特に変更点はありません。

「虚シコウ」の仮定図

「虚シコウ」の仮定図

仮定図の説明

ここの説明部分が、考えが進展して(というかシンプルになった事で逆に?枝刈りみたいな)個人的に納得いく整理ができるようになったのでメモしておきます。

「運」と「認知」

人間の生き方を構成する要素は、大別したら「運」と「認知」の2つに捉えられるのではないでしょうか。

1つ目の「運」とは、ただの「ジャンケンで勝つ運」「宝くじで当選する運」だけでなく、「学問、スポーツ、芸術、…等、何らかの才能を持っている運」や、「家庭環境、地域環境、学校環境、職場環境、…等、周りの環境に恵まれている運」も含みます。
また、「努力ができるという運」も含まれるかと思います。「運」がなくても「努力」をすればいいんだから甘えるな! という主張もよく聞きますが、努力するために必要な忍耐力や向上心、負けず嫌いな性格の生得的な有無はやはり運により、かつこれらを後天的に上げるためのトレーニングの量や質もまた運が非常に大きく関わってくるため、やはり両者は対照関係ではなく「運 ⊃ 努力」の含意関係で語られるのが妥当かと考えています。

2つ目の「認知」とは、「センス」や「感性」の事です(これは、「運」が「環境」や「努力」を含意する関係とは構造が異なっていて、ただの言い換え関係に近いかな)。
どんなに才能がなくて環境が悪くて努力もできない不運無運な人だったとしても、明るく「これでいいのだ」と思い続けていれば、彼/彼女 の人生は不幸ではないでしょう。反対に、傍から見たらケチの付けようないセレブストイックエリートが、精神を崩し、歪んだ認知構造のまま自害に至ってしまった、なんて話は可哀想なVTRとしてTV等でしばしばお目にかかる、いわば「あるあるエピソード」です。
これらは、「認知」が「運」とはある程度独立した要素でありながら、人生を構成するための重要な要素である事を示しているわかりやすい例です。

もっとザックリとした捉え方をすると、数値化しやすい要素が「運」で、数値化しにくい要素が「認知」でしょうか。
たとえば「運」の下位概念である「才能」について、才能の程度を数として測る指標は、意外と既にたくさん考案されています。学問の才能を測るテストの点数、運動の才能を測る各スポーツのスコアを、我々はこれまでの人生で大量に測って(というより計られて?)きたわけです。
……逆にスコアが存在しないスポーツってあるんですかね?ここでいうスコアは、勿論100m走のタイムや柔道の技の判定も含みますよ。そのスポーツの公式ルールとして定められている定量的な指標ですから。競技種目以外であることは確かだけど…探し出したいな。

少し脱線したので話を戻すと、意外と数で捉えやすい「運」に対して、「認知」は未だ世界中の人にバチッとハマるような指標が確立されていないハズです。それこそ名の通り、認知科学に関わる研究は活発で進展していますし、SNSに投稿された文章からその投稿者の精神状態を判定できるAIとかも結構な高精度で頑張っていますが、ハッキリと人の「認知」、ひいては『これでいいのだ』のような「人生観」を測る指標の確立は「運」も比較するとまだまだ、というのが現状でしょう。一応上述のような視点を前提に置けば今回の大別方法は妥当性が認められるかと思います。

「虚」と「シコウ」と「ハズレ」

「…いやいや、認知こそ運次第だろ。ていうか知能とか、モロ認知ワードじゃん。」
という指摘は当然考えられるでしょう。

この指摘を踏まえて、
「運」と「認知」を重ねた(つまり排反でない)ベン図を描き、ここに、2つの間を自由に行き交う【シコウ】を追加することで、人の生き方、その人の世界を表現することにします。

本来ここで表現される世界は、現実に生きている世界・実体験の世界、すなわち実世界なわけですが、

 これをあえて【虚】という逆の(実と虚は逆の概念なのかどうかも、結構議論の余地がありそうなところです。"実"は。)概念で、余白をいれて大きく括ってみたら、どうなるだろう?

言うなれば虚世界は一体どんな世界なのだろうと、考えてみたいのです。また、【虚】の外側の領域を「ハズレ」と設定したが、これは本当に何が該当するのだろう?現時点では全くピンと来ていませんがとりあえず仮置きしておきます。

これが、上に示した「虚シコウ」の仮定図の説明です。

 

「虚シコウ」の目標

【虚】と【シコウ】。そして、「虚×シコウ=∞」や先程の図。この2つのキーワードと1つの数式、1つの図で、森羅万象の説明を考える、=【シコウ】することを目標とする。

 

「虚」と「シコウ」の構成要素

【虚】 の要素例
  • 空虚 (虚しさ、虚無、虚空、...)
  • 虚偽 (嘘=口虚、虚構、虚妄、虚仮、...)
  • 虚心 (謙虚、...)
  • その他にも、虚(うろ)、廃墟=土虚 等
【シコウ】の要素例
  • 基本的なシコウの流れ:嗜好→志向→試行→思考→施行→思考...
  • 一般性の高低による区分:公{思考、施行} / 私{私考、私行}

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おわりに

と、現段階ではこのような整理がつきました。

ちなみに、2年半前に書いた本ブログ初記事では、最後こうにシメていました。

・本音
程よくイタめの公開メモ帳にしたい

ああそうか、ダラダラとカタめの話垂れ流してきたけど、結局のところそんくらいのゆるい動機に支えられているコンテンツだな。別にタイトル「イタめの公開メモ帳」でも成り立つ、というかそっちの方が明確でわかりやすいか。

,,,でも、まだ考えていきたい概念なので、「虚シコウ」でタイトル固定しときます。

抗がん剤開始日にみた虚しい夢を徹底的に実体験の記憶と結びつける

7月20日抗がん剤の投与が開始された日、19時ごろからウトウトしはじめる。このウトウトしている状態が、現実と夢の狭間にいる感覚だった。

ベッドからの視界がそのまま、凹んだ球体のルービックキューブとして前方にあらわれて、周りの動きや音に合わせてパーツがグルグルと上下左右からスライドしてきたり、今の視界とは全く無関係な絵が続々と上から不鮮明に貼り付いてはすぐ消えたりを繰り返した。
「無関係な絵」はどれも見覚えはあるもので、おそらく過去の自分の記憶から引っ張りだされてきたものだと思う。【夢は記憶のツギハギ】なんだと、実体験をもって再確認した気になる。

そして20時ごろにはいつの間にか寝落ちしていた。その時にみた夢の密度(と言うより、『起きた時点で記憶していた夢の密度』かな?)がいつもより濃かった。そして、内容は絶妙に虚しかった。

良い機会なので、今回はその虚しい夢の内容を振り返りながら、徹底的に自分の実体験の記憶と結びつける事で、【夢は記憶のツギハギ】である事をより強く認識したい。

 

虚しい夢の内容

この1晩だけで5種類の夢を記憶しているんだけど、今回はひとまず1個目の夢だけ対象にする。

夢の内容は、以下の通り。昨年からの夢の記録を淡々とつけている自分のサブブログからの引用になるんだけど......

小さい冷蔵庫が目の前にある。ここがどこかは不明。その冷蔵庫の中から、冷蔵庫よりも大きい人間が出てきては、瞬時にいずこかに消えていく。

すると、横にいた見知らぬ人が、「下から出てきてるね」と言ってきたので、
自分は「いや、上から出てくる」と反論したら、思ったよりも長いこと揉め続けることとなった。

※出典(夢日記に興味ある人は是非):

redream.hatenablog.com

 

考察

これを、実体験の記憶と結びつけていく。

まず、『小さい冷蔵庫』、これは思い返せば病室の冷蔵庫と同じものだ。もちろん、現実ではそこから『冷蔵庫よりも大きい人間』が複数人登場してくる事はなかったけど、病室の冷蔵庫の記憶が夢にパズルの1ピースのように切り取られて貼り付けられたのは確かだ。

『横にいた見知らぬ人』は、顔や声の印象までは起きた時には忘れていたから最初は見当つかなかったけど、もしかしたら同じ病室の人かも、とふと思いあたる。

冷蔵庫が今入院中の病室から来ているなら、その記憶と近いのは同室の人。病室は2人部屋で、今厳格なコロナ対策のために常時カーテンで仕切られているから、他の人の顔姿は見えないようになっている。でも、自分の同室の人はたまにカーテン越しに話しかけてきてくれていたから、顔の記憶がなくても会話を交した記憶はある。それが、横にいた見知らぬ相手と会話した、という夢に繋がっている可能性はなんだか高い気がする。

いやでも声の記憶の有無で矛盾生じているじゃんとか、揉めているのはどうしてとか、色々ツッコミどころはある。だけど、こんな感じで記憶をねじ曲げられたイメージが夢だと考えれば充分有り得る考察ではないかと思う。

 

ちなみに、夢の肝ともいえる『冷蔵庫の中から、冷蔵庫よりも大きい人間が出てきては、瞬時にいずこかに消えていく』の部分がどうにか実体験の記憶と結びつけられないかと探し出してみると、有力候補として2つ挙げられた。

 

1つ目は、映画『ジョーカー』の中の1シーンの記憶。

https://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/img/sp/visual.jpg?id=1

『ジョーカー』は2年前に映画館で観て、その後Amazonプライムビデオでもう一度観る程度には強く印象に残った作品なんだけど、その中盤にアーサーが冷蔵庫の中に入るシーンがあった。あのシーンは、『本当はアーサーは冷蔵庫に入る事で自殺していて、後のシーンは妄想(=ジョーク)なんだ』とか『昔ヒーターに括り付けられていた記憶を思い出したから、冷蔵庫に入って冷やす事で釣り合いを取ることで病を治そうとした』とか色んな考察が飛び交うくらい一般的にも印象的な場面らしい。
 

 

で、2年前に自分は考察記事*1を読みながら、
「いやー、こういう考察をする人は映画を超真剣に観てるんだろうなぁ。僕は、あのサイズの箱の中に人がラクラクと入っていく様がちょっと面白くて、単純に印象に残ったんだけど…」
と思ったのを覚えている。

もっと言うと、なんとなくあのシーンを観た時に、
電波少年箱男(TV番組)や安部公房箱男(小説)、鞄の中に入っているエスパー伊東、風船の中に入っている風船太郎、めちゃくちゃ小さい透明な立方体の箱の中に入っているマジシャン(名前忘れてしまった…)、小さいダンボール箱の中に入っているネコ、……
と、「〇〇の中に入っている‪✕‬‪✕‬」を続々と連想してしまい、それらに対してあまりにもアーサーが易易と冷蔵庫の中に入っていった様子がちょっと笑いのツボに入った、というあまりにも勝手な話がある。

でもだからこそ、「箱の中に人がいる」という記憶は結構強く自分の中にあって、今回夢として現れた可能性はある。

 

2つ目は、かの有名な「ゾウを冷蔵庫に入れる方法は?」クイズの記憶。

1「冷蔵庫の中にゾウを入れるには?」
答「冷蔵庫のドアを開けて入れる」

2「では冷蔵庫の中にキリンを入れるには?」
答「冷蔵庫の中のゾウを出して入れる」

3「ライオンが開いた会議に出席しなかった動物は?」
答「キリン。冷蔵庫の中に入っているから」

4「人食いワニのいる川を渡るには?」
答「泳いで渡る。ワニは会議に出席して留守だから安全」

出典:*2

 

これまでの人生で出くわしてきた数多あるクイズというか問題の中でも、このクイズは「何だよその答え…」感の強さでいうとベスト5に入るんじゃないかという意味で、強く印象に残っている。理不尽クイズかといわれると、いや別に問と答は矛盾していないし……と、絶妙な肩透かしをくらった思い出があるのは自分だけではないはず。

でもだからこそ、「冷蔵庫の中に動物がいる」という記憶は結構強く自分の中にあって、今回夢として現れた可能性はある。 …と、先程のコピペのような結論文を書いてしまった。

 

まとめ(というかP.S.?)

まあ結局、夢の性質上「コレ!」という正解は特定できないけど、真面目に夢の記憶を1つ1つ分解して実体験の記憶と結びつける作業をすれば、結構それっぽい夢の追究はできる。本当、夢に関する研究って夢があるんですよねぇ(多分夢の研究者が過去に何万回と言ってきたセリフ)。少し携わってみたいな。

寛解導入療法 終了~一時退院 - 白血病記録

※前の記事

void00.hatenablog.jp

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薬の種類

だいぶ量が減った。特に、ステロイドプレドニゾロン錠)が1日20錠から1~2錠に減った。

朝: プレドニゾロン錠5mg ×1or2、フルコナゾールCap100mg ×1、バクタ配合錠 ×1
夕: ネキシウムCap10mg ×1
不定期: マグミット錠330mg(便通改善用)、ネリザ軟膏2g(痔) + ロイナーゼ筋肉注射(30日目)、オンコビン点滴(30日目)

 

体調

0808~0809(寛解導入療法29~30日目)

前日までとは打って変わって調子が良くなった。元気だ。久々に「ヒマ」という感覚を取り戻した。PC作業もストレッチもできる程体力が回復した。看護師との雑談もスっと頭に入ってくる、「あ、今当たり障りのない場繋ぎトークをしている」と思いながら口が回る。

プラスの感覚だけでなく、マイナスの感覚も取り戻してきた。
起き上がる時の気だるさや、排便時の切れ痔の痛みをちゃんと感じられる。これが快感だった。
遂に正負のある「日常」に帰ってきたのだという確かな実感が生まれるからである。性根がMだからというわけではない。

 

30日目に抗がん剤を1種(オンコビン)投与されて、この日が寛解導入療法の最終日ということになった(のかな?)

この時点で現れている症状は、以下の通り。

  • 手指先の痺れ :手指の第1関節に紙が1枚張りついているような感覚、他にたとえるならば指先をお湯に突っ込んだ事で皮がふやけたような感覚が残る。ピリピリと痛い訳では無いので、生活上の大きな支障にはならないレベル。どうやらこれは、「神経毒性」あるいは「末梢神経障害」と呼ばれる抗がん剤の副作用で、少なくとも抗がん剤治療期間中は一度発生したらずっと残り続けるものらしい。指のストレッチをしたり温めて血流を良くしたりすると改善する、と言われているが、今のところあまり効果は感じられない。今後どんどん強まる可能性があるので、痺れの度合いに変化がないか適宜チェックしていく。
  • 耳の籠り:身体を長時間起こしていると、徐々に耳が遠くなっていく。周りの音はそこまで遠くならないが、自分が発する声がかなり籠って聴こえる。様々な耳抜きの方法(唾を飲み込む、鼻をつまんで口を閉じて息を吸い込む、顎を動かす、鼓膜付近の筋肉を動かす)を試してみても、改善しない。横になってしばらくしたら治った。なので、おそらく「耳管開放症」である。
  • 腰痛:たまにズキズキと痛む。骨髄検査からは結構日数が経っているので、おそらくその痛みではない。抗がん剤の副作用で神経が乱れているのか、あるいはシンプルに横になり過ぎていることが原因かと思われる。
  • 脱毛:ただ、ピークから1週間経っているので、そこまでは抜けてない。
  • 排便時の肛門痛:切れ痔+硬い便 で発生する。出血は少量。ネリザ軟膏を塗るとだいぶ効いて、あまり痛くなかった。
  • 頭のふらつき:頭を使う作業をすると若干クラクラしてくる、ただし安静にするとすぐに治まった。

あと症状という感じではないが、体重や筋肉量が当然低下している。歩行時には特に異常を感じないが、試しに屈伸してみたら1回するのにだいぶキツくて弱体化を悟った。

まあでも、とにかく元気だから大した問題には感じない。

 

0810~0814(経過観察期?)

抗がん剤や筋肉注射等の治療はもう行われないので、飲み薬だけ服用したらあとは普通の生活を送る。相変わらず調子はいい。元気なんだけど……食事がなんか変だ。味覚障害なのかどうかもよく分からない、味は感じているのに、「食べている」という実感がイマイチわいてこない。

「実感」……なんかそういえば、動いているという実感や、話しているという実感が薄い気かする。感覚・感情を伝達する神経が鈍っているのかもしれない。

どうしたものか...と考えていたら、この週はオールナイトニッポンが「お笑いラジオスターウィーク」なるイベント週だったので、radikoで色んな放送を楽しく聴いていたら、徐々に「実感」が戻ってきた。

お笑いラジオスターウィーク2022 | オールナイトニッポン.com ラジオAM1242+FM93

ありがとう、お笑いラジオスターたち(+radiko) 。特にマヂカルラブリー(+清水アナ)、僕に忘れていた「感情」を教えてくれました。絶対野田ゲーの次回作のクラファンには出資します。

...とまああまりにも個人的な治療法だったけど、結果かなり元気な状態まで回復した。

 

0815(一時退院前検査)

午前中に血液検査と胸部の造影CT検査、言うなれば今回の入院の「最終試験」をする。結果、血液に特別な異常もなく、胸部のリンパ腫もかなり小さくなっていて、他の臓器も問題なさそうとの事で、「最終試験」をクリアし、無事一時退院が決定した。

体調も継続して良い。長時間の歩行・会話・デスクワークが難なくできる。先週のように突然「虚」が襲ってくるかもしれないので気は緩めないが、確かな生き応えを感じる。

0816~(一時退院)

10時に晴れて一時退院。自前荷物に大量の薬とともに家に帰る。

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退院中に飲む分だけではなく、入院中に処方された分の薬の余り分も受け取ったので大量にある。今まであまり病院にお世話になった経験がなかったから、余計圧巻されるな。

まあ薬の量はどうでもいいんだ、そんな事より元気だ!普通に元の生活、いやそれ以上。病気が判明したタイミングが病院に行ってからというだけで、それ以前から病気は患っていた訳だから、その頃よりも元気なのは当然か。

はじめは短い退院にそこまで必要性を感じていなかったけど、「日常」を体験してわかる、一時退院は超必要。気分が全然違う。

思えば、はじめは1泊の検査入院の予定で家を出た。それがそのままずっと入院になり、結果41泊していた。いや~、とりあえずゆっくり過ごすか。

寛解導入療法 22日目~28日目 - 白血病記録

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薬の種類

朝夕の薬はこれまでと同様だが、入院中に出来た痔の薬が追加された。

朝: プレドニゾロン錠5mg ×10、フルコナゾールCap100mg ×1、バクタ配合錠 ×1、レボフロキサシンOD錠250mg ×2

夕: プレドニゾロン錠5mg ×10、ネキシウムCap10mg ×1

不定期: マグミット錠330mg(便通改善用)、ピコスルファート液(便通改善用)、ヘモポリゾン軟膏2g(痔)、ネリザ軟膏2g(痔) + ロイナーゼ筋肉注射(2日に1回)、オンコビン点滴(1回)、血小板輸血


体調

0801-0802(寛解導入療法22-23日目)

体調にムラがあった。3~4時間おきに波がきた。食欲はわかないが毎回1時間かけて8割は食べた。睡眠欲だけは今まで同様衰えず、8時間睡眠を確保した。
一般的には大量にステロイドを摂取すると不眠に苦しむそうだが、その気配は全く来ていない。もしかしたら自分には睡眠の才があるのかもしれない。あやとりと射的のできないのび太とでも名乗ろうか、などと思える程の心の余裕があった。

0803(24日目)

午前からずっと絶不調。とにかく気分が悪かった。ただ臥して全身で荒く息を切って耐えた。しばらくすると、急に何の前触れもなく、プツンと「普通」を取り戻した。
瞬間、
「ええやんええやん!ええやんええやん! しゅーーー〜ああああシューーーーー!、!!!!」
と、脳内がハリウッドザコシショウ一色に染まってビックリ。
この現象は注目に値すると思います。ハリウッドザコシショウ、元々好きな芸人ではあったけど別にそこまで追っていた訳ではない。なのに苦しみから解放された瞬間、ザコシになった。ザコシでしかなかった。彼の芸は人の喜びの源に近いというか、生得的なエネルギーから生成されているのだろうか?

それはさておき、少し落ち着いてきてザコシではなくなってからは、「この急回復は逆に怖いぞ...薬の影響か?脳神経がバグった? 」と考え、安静に努めた。

0804 (25日目)

一日中調子がよかった。体力も戻ってきた。血液検査の結果も、しっかり血球の数値が回復していた。
ここで「一山越えた」と判断してしまっていた。

0805 (26日目)

午前中は相変わらず調子がいいので、適当に運動や作業をした。
午後に「わけのわからない状況」が2回発生した。

まず昼に、突然「虚」に到達する。

そして夕食後、またしても突然、全身の血の気が引く感覚が来た。どこか特定の場所が痛むとかではなく、全身の血が止まっているような気分だった。ただ「危篤状態にある」「もう死ぬ」と思った。しかし血圧・脈拍・体温等全て正常なので原因もわからず、脚を上げて耐えるしか術がなかった。この状態がおさまるまで6時間かかった。

0806-0807 (27-28日目)

時々サッと全身の血の気が引く感覚が来ては、比較的短時間ですぐ治まる、を繰り返した。
こうも生死の波に揺さぶられると、もう二度と油断できない。

 

なにより、この「全身の血の気が引く」症状の正体を特定できていないままというのが困っています。今回の入院期間中最も苦しんだ、いわば最大の敵の素性がわかってない状態なんです。

心臓がキュッとなる感覚もありました。イメージとしてはこう、全方位から心臓がぐらぐらと圧迫される感じというか……

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うーん、やっぱり伝えるの難しいですね。

「迷走神経反射」か「脳貧血」か、その他精神障害かが可能性としては高そうなのですが……

何か少しでも情報持っている方、コメント頂けると本当に助かります。