タイトルの通りなのですが、まずは"ナンチャンお気楽ライブVol.3 ~ギターを買ったもんだから~"を観た感想談。
一応確認のため。ここで言うナンチャンとは、「南原清隆」という人の事を指します。
南原 清隆は日本のお笑いタレント。(Wikipediaより)
「彼はお笑いタレントなんだ、この文章はお笑いタレントのライブ体験談なんだ」という事、それと「この文章の執筆者は別に南原清隆ファンでもアンチでもないんだ」という事を意識した上で見ていただけるとありがたい。
開演前 --圧倒的"お気楽の演出"
いよいよライブを観るぞと意気込んで中に入ってみたらまずこの光景。
芸人のライブのモニターにいらすとやギター1つ。この脱力感でまず笑い1ですね。
耳を澄ませば、まず小沢健二の『ラブリー』、その次西野カナの『Darling(違ったかも)』が優しく場内に流れていて、「お気楽が過ぎるな」と笑い2。
そのお気楽路線のまま行けばいいのに、開演が近づいてくると フジファブリック『若者のすべて』→King Gnu『白日』の選曲に、''少し雰囲気に重みを持たせようとしてる感"を勝手に感じ取ってしまい笑い3。
そう、この時の僕はもう完全に"かかっている"状態だった。その場のあらゆるものが"前フリ"なり"お気楽の演出"に思えてしまって仕方ないマヒ状態、この感覚は実際にその場を訪れないと味わえまい。
ステージに500mlのペットボトルが4本置いてあるのを見るだけで 「お気楽の割にはそんなに喉が渇くほど喋る予定なのか」とか色々想像しては、変にライブのハードルがグングン上がった状態でようやくスタートのアナウンス。
アナウンス「本日は"ナンチャンお気楽ライブVol.3 ~ギターを買ったもんだから~" にお集まりいただき…」
僕 (そもそも''ナンチャンお気楽ライブ"ってどんなタイトルだよ)(そのお気楽ライブにいる自分は一体何なんだ)
と脳内が勝手に錯乱している僕に構うことなく、遂にナンチャンこと南原清隆氏が自身のキャラクターソング(?):サカナクションの『新宝島』に合わせて登場!
これから一体何が始まるのか…
開始後15分間 --「ん~~~?」
「ん~~~?」と思う時間が続いた。
トーク内容は例えばこんな感じだった。
ナン「あのー今日もヒルナンデスがありましてね」
客「フフフ…」
ナン「いやー水原希子ちゃんは可愛いな~!!(大声量)」
客「ハハハハ!!」
何と言うか、主婦の井戸端会議を聞いている感じというか、、いやいい意味で、いい意味でなんですけど、、失礼な喩えのつもりではなくて、、まぁ誰に失礼だったかといえば南原さんよりは主婦の方にかなーみたいな、、、
とにかく「ん~~~?」という言葉でしかその時の心境は表せない。
転機、それから --
しばらく経ってようやく、「あぁそうか、自分の見方が悪かったんだ」と気が付き始める。
今までの僕はナンチャンに"スベリ笑い"だけを求めてしまっていたんだ、と。
確かにナンチャンは、芸人界での高い地位の割にはお笑い感がない。平気な顔でごく普通の話をしたりもする。
でもそれこそが彼の魅力なんだ。
誰も傷つけることなく、みんなでほのぼの幸せに笑おうとする人間性が凄いんだ。
それなのに僕は冒頭からずっと斜に構えて、喋るナンチャンやそれで笑う客達を小馬鹿にして......情けない。もっと澄んだ心を持ってこのライブを楽しもうと決めた。
改心してからは、あらゆるナンチャンに魅せられた。
- 学生の頃好きだったアイドルを語るナンチャン
- ハンバーグ店「さわやか」を「なかよし」と言い間違え、写真のコアラを指さして「これがカンガルーで…」と言うナンチャン
- トークの合間合間に、あまり上手くないけど下手でもないギターを弾きながら歌うナンチャン
- オードリー若林、サバンナ高橋、ハリセンボン春菜の声をモノマネするも全部ナンチャン声のナンチャン
- でも加藤浩次のモノマネはだいぶ似てて、何故かロバート・キャンベルもそこそこいけるナンチャン
- 自作曲『~ギターを買ったもんだから~』を歌い切ったあと、さらに大サービスでなんとあの伝説の曲『おフランスのお弁当』まで歌ってくれたナンチャン
どんなナンチャンの時でも本人と客--もちろん僕含む--が一体となって楽しく笑い合い、ライブは幕を閉じた。
同時に僕は、ナンチャンが振り撒いた多幸感と、虚しさという概念の関係について自然と考えていた。
(続き)