虚シコウ

粗い構成!薄い内容!ほとばしる素人意識!AI社会で虚快に暮らすヒント!

1人外食ムリムリ漫才師の横で堂々1人飯

10がつ28にち

 

大学のフリースペースで作業してたら、突然隣のテーブルで見知らぬ2人組が「1人外食ムリムリトーク」をしはじめた。

  • 1人で外食ってありえなくない?
  • うちの母親も1人で外食するの無理人間で
  • 外食1人でするのって友達いないからで
  • 1人でわざわざ外食をする理由が存在しないし

こんな調子でずっと喋ってる。

まあ普通の日常会話だなと思いきや、たまに

  • 外食とは料理じゃなくて「人と食べる事」に金を払うもの
  • 外食は会食とニアイコール

というキラーフレーズも放って来るから、油断ならない。

しかも普通の日常会話だとラベリングするにはあまりにも話題の占有時間が長すぎる。

なんかもう、熱量が並ではない。これはもはやフリートークではない、芸人が漫才にかける位の熱量だ。

1人外食ないわーという2人の掛け合いを1人で聞く僕。

2人の漫才を聞きながら途中1人でトイレに行き、1人で大便して(多分1人飯の時の糞)、帰ってきたらまた漫才の聴講。1人で。

 

しかも、ちょくちょくこっちの事を見てきてる。

いや、その視線に気づくという事は僕も2人の事を見ているという事なのではあるが、せいぜい僕はちらっと目だけを動かす程度。ぎりぎり視界の隅で姿を確認できるくらいのポジション調整済。

他方彼女らは、しっかりと首を捻って顔を向けて"1"を見てくる。

もう、「観る」という言葉の方がしっくりくるくらい"1"の方を見て来るのだ。

 

それでもう我慢できなくて、やってやりましたわ。

2人の隣で堂々1人飯。

大きな音立ててカップラーメンをすする。

わざわざ近くの販売機で170円払って買って。そんなに腹空いているわけでもないのに。

そもそもカップラーメンそんな好きでもないし、普段ならば横の販売機でパン買うけど、それだと食べるときに上手く音が出ないから。

「はい食べてます、私今1人で食べてます!!」感を盛大に演出したかったから。だからカップラーメン。

 

ズルズルと乾いた音を部屋中に響かせて。

""の音なのに、"乾いた音"が出るのだ、どうや滑稽だろう!

どうなん、どう思ったんや、そこの漫才コンビ!!

と思い、ここで初めてこちらから体ごと向けて2人を見る。

当然のように目が合う。

 

しっかり、引いていた。ドン☆引き。

HAHAHA、見たかこれが1人飯よ! 」と目で語った。

ピン芸で漫才を終わらせてやりましたわ。

そのオチのない漫才をな!!

 

そうして2人組が去り、フリースペースに自分1人取り残された時、ふと

「あれ、"1人飯""1人外食"は同じ事なのか…?

と考えてしまった。後味の悪い虚しい午後2時半のこと。