胸に痛みを感じてから『白血病』と診断されるまでの経緯を簡単に記しておく。
はじめに:自分の身体情報
- 身長:170~175cm
- 体重:55~60kg
- 年齢:20代前半
- 性別:男性
- 喫煙歴:なし
- 飲酒頻度:1か月に1回以下
- 生活習慣:不規則な睡眠(夜型生活)と食事
- 過去に大病の経験もなく、健康体で過ごしてきたかと思う。
5月31日
夜から突然胸が鋭く痛む。動いたり呼吸したりする度に、胸全体が圧迫されているような痛みが襲う。身体のあちこちを触れてみても痛みの場所を一点に特定できない。
ネットの情報を頼りに自己診断してみたところ、自然気胸の症状が非常に近かった。
浅い呼吸で横に臥すとある程度痛みが和らぐので、そのまま就寝した。
6月1日
昨日から症状が変わらないので、呼吸器内科のクリニックを訪れる。
胸部レントゲンとCTを撮影してもらったところ、デカまるい影が胸の中央にくっきりとうつった画像がでてきた。素人目でもわかるヤバいのが見えたおかげ(?)で、逆に「ストラーイク!」と一発で受け止めきれたのかもしれない。
医師からは『胸腺腫』の疑いがあると伝えられた。
胸腺腫とは 胸腺の上皮から発生する腫瘍で、10万人あたり約0.5人しか発症しないレアな病気らしい。*1
これから大きい病院でより詳細な検査をするということで、紹介状や画像データを受け取りその日は帰った。
6月3日
紹介状宛の総合病院で血液検査や心電図検査を受けた。
...のだが、この時点で実は、痛み自体はだいぶ消えており、以降も治まり続けることとなる。普通に動ける・呼吸できる。深呼吸時のみ、胸の奥底にズキっと痛みが走る位で、胸以外の不調も特に感じられない。この程度なら病院には行ってなかったなーというレベル。
だからあのタイミングで病院に行かずにもう1日放置していたら、相当発覚が遅れていたのは間違いない。
6月7日
造影CT検査(胸部)を受ける。
6月22日
検査の結果、やはり『胸腺腫』だろうとの診断結果をきいた。
それに加え、造影CT画像には肝臓にも小さく黒い影がうつっていたため、これが腫瘍の転移か否かを確かめる検査を後日行うことも伝えられた。
きちんと調べていきましょうねー、と優しく穏やかに先生がおっしゃる。
と、このタイミングで、同伴していた親が、他病院への紹介状を書いてもらうように先生に丁重にお願いをした。
珍しい病気だし、多くの経験や知見が積まれているより大きな病院で手術してもらいたいという想いで色々調べてくれていたらしい。
ありがたい!よろしくお願いします先生!!......あれ、先生?
「ふーん、それならもっと早めに言ってくれればよかったのにね」
との冷めたつぶやきが、先生の方角から聞こえてきた。
え、でもたった今はじめて正式に診断結果をうかがったわけですし、言うタイミングも何も...とモゴモゴしていたら、今度ははっきりと強い口調で
「「これじゃあ、僕はまるで『紹介状書き係』みたいだねえ!」」
と一発ぶつけられてしまった。うーん、手厳しい。
ここで医師への愚痴を漏らしたいのではない。
ただ、
紹介状を依頼すると医師のプライドを傷つけかねない事には注意が必要という事と、
それで冷たい態度をとられても依頼を折れない覚悟が大切だと言いたい。
だってここでもし折れていたら、自分は『胸腺腫患者』で確定していたわけで...
...先生側も何かハッとしたのか、以降は「紹介状はすぐには書けないんで次回準備しましょう、肝臓の検査はもううちで予約とっておいてるのでそれを受けてからがいいですよ」と丁寧に対応してくださり、一件落着。
6月28日
造影MRI検査(肝臓)を受ける。
6月29日
検査の結果、影の正体は小さな肝血管腫で、胸腺腫の転移によるものではなく問題なしと伝えられた。よし。紹介状もゲットできた。よし。
...よし!もうだいぶ胸腺腫の摘出手術が見えてきた。
8月以降の予定もひとまず変更なしでいけそうだなー等と思いながら終えた6月であった。
.........ここまで、『白血病』の言葉は一回も登場していない。