※前の記事
―――――
薬の種類
だいぶ量が減った。特に、ステロイド(プレドニゾロン錠)が1日20錠から1~2錠に減った。
朝: プレドニゾロン錠5mg ×1or2、フルコナゾールCap100mg ×1、バクタ配合錠 ×1
夕: ネキシウムCap10mg ×1
不定期: マグミット錠330mg(便通改善用)、ネリザ軟膏2g(痔) + ロイナーゼ筋肉注射(30日目)、オンコビン点滴(30日目)
体調
0808~0809(寛解導入療法29~30日目)
前日までとは打って変わって調子が良くなった。元気だ。久々に「ヒマ」という感覚を取り戻した。PC作業もストレッチもできる程体力が回復した。看護師との雑談もスっと頭に入ってくる、「あ、今当たり障りのない場繋ぎトークをしている」と思いながら口が回る。
プラスの感覚だけでなく、マイナスの感覚も取り戻してきた。
起き上がる時の気だるさや、排便時の切れ痔の痛みをちゃんと感じられる。これが快感だった。
遂に正負のある「日常」に帰ってきたのだという確かな実感が生まれるからである。性根がMだからというわけではない。
30日目に抗がん剤を1種(オンコビン)投与されて、この日が寛解導入療法の最終日ということになった(のかな?)
この時点で現れている症状は、以下の通り。
- 手指先の痺れ :手指の第1関節に紙が1枚張りついているような感覚、他にたとえるならば指先をお湯に突っ込んだ事で皮がふやけたような感覚が残る。ピリピリと痛い訳では無いので、生活上の大きな支障にはならないレベル。どうやらこれは、「神経毒性」あるいは「末梢神経障害」と呼ばれる抗がん剤の副作用で、少なくとも抗がん剤治療期間中は一度発生したらずっと残り続けるものらしい。指のストレッチをしたり温めて血流を良くしたりすると改善する、と言われているが、今のところあまり効果は感じられない。今後どんどん強まる可能性があるので、痺れの度合いに変化がないか適宜チェックしていく。
- 耳の籠り:身体を長時間起こしていると、徐々に耳が遠くなっていく。周りの音はそこまで遠くならないが、自分が発する声がかなり籠って聴こえる。様々な耳抜きの方法(唾を飲み込む、鼻をつまんで口を閉じて息を吸い込む、顎を動かす、鼓膜付近の筋肉を動かす)を試してみても、改善しない。横になってしばらくしたら治った。なので、おそらく「耳管開放症」である。
- 腰痛:たまにズキズキと痛む。骨髄検査からは結構日数が経っているので、おそらくその痛みではない。抗がん剤の副作用で神経が乱れているのか、あるいはシンプルに横になり過ぎていることが原因かと思われる。
- 脱毛:ただ、ピークから1週間経っているので、そこまでは抜けてない。
- 排便時の肛門痛:切れ痔+硬い便 で発生する。出血は少量。ネリザ軟膏を塗るとだいぶ効いて、あまり痛くなかった。
- 頭のふらつき:頭を使う作業をすると若干クラクラしてくる、ただし安静にするとすぐに治まった。
あと症状という感じではないが、体重や筋肉量が当然低下している。歩行時には特に異常を感じないが、試しに屈伸してみたら1回するのにだいぶキツくて弱体化を悟った。
まあでも、とにかく元気だから大した問題には感じない。
0810~0814(経過観察期?)
抗がん剤や筋肉注射等の治療はもう行われないので、飲み薬だけ服用したらあとは普通の生活を送る。相変わらず調子はいい。元気なんだけど……食事がなんか変だ。味覚障害なのかどうかもよく分からない、味は感じているのに、「食べている」という実感がイマイチわいてこない。
「実感」……なんかそういえば、動いているという実感や、話しているという実感が薄い気かする。感覚・感情を伝達する神経が鈍っているのかもしれない。
どうしたものか...と考えていたら、この週はオールナイトニッポンが「お笑いラジオスターウィーク」なるイベント週だったので、radikoで色んな放送を楽しく聴いていたら、徐々に「実感」が戻ってきた。
お笑いラジオスターウィーク2022 | オールナイトニッポン.com ラジオAM1242+FM93
ありがとう、お笑いラジオスターたち(+radiko) 。特にマヂカルラブリー(+清水アナ)、僕に忘れていた「感情」を教えてくれました。絶対野田ゲーの次回作のクラファンには出資します。
...とまああまりにも個人的な治療法だったけど、結果かなり元気な状態まで回復した。
0815(一時退院前検査)
午前中に血液検査と胸部の造影CT検査、言うなれば今回の入院の「最終試験」をする。結果、血液に特別な異常もなく、胸部のリンパ腫もかなり小さくなっていて、他の臓器も問題なさそうとの事で、「最終試験」をクリアし、無事一時退院が決定した。
体調も継続して良い。長時間の歩行・会話・デスクワークが難なくできる。先週のように突然「虚」が襲ってくるかもしれないので気は緩めないが、確かな生き応えを感じる。
0816~(一時退院)
10時に晴れて一時退院。自前荷物に大量の薬とともに家に帰る。
退院中に飲む分だけではなく、入院中に処方された分の薬の余り分も受け取ったので大量にある。今まであまり病院にお世話になった経験がなかったから、余計圧巻されるな。
まあ薬の量はどうでもいいんだ、そんな事より元気だ!普通に元の生活、いやそれ以上。病気が判明したタイミングが病院に行ってからというだけで、それ以前から病気は患っていた訳だから、その頃よりも元気なのは当然か。
はじめは短い退院にそこまで必要性を感じていなかったけど、「日常」を体験してわかる、一時退院は超必要。気分が全然違う。
思えば、はじめは1泊の検査入院の予定で家を出た。それがそのままずっと入院になり、結果41泊していた。いや~、とりあえずゆっくり過ごすか。