虚シコウ

void XXX(real 日常); //薄い日記をつけたりシュールなニュースをみたり

voidニュース|2026年11月4日「海底洞窟の発光生物、恐竜の血液」

voidニュースとは、シュールなニュースのことです。と言い切れるわけでもなく、realとは対を成して非日常性を感じさせるニュースや、新時代を突きつけるニュース、あるいは逆に廃墟のようなわびさびや虚しさを醸し出すニュース、分類できないニュース、、とにかく色々なニュースです。

(ここの冒頭文を毎日ちょっとずつ膨らませてニュース本文のスペースを侵食してやろうという野望があります)


01|深海・生物・刺激への応答

題:海底洞窟で、刺激を受けると緑色に点滅する新種の生物が発見される

概要:11月4日公開。

日本の南大東島付近にある海底の石灰岩洞窟で、新種の海洋生物 Corallizoanthus aureus が発見された。

この生物はサンゴの群体上に生息し、外部から物理的・化学的な刺激を受けると緑色に発光する。

研究者は発光のピーク波長が515.4ナノメートルであることを確認した。発光は捕食者への防御に役立つ可能性があるが、詳しい仕組みや役割はまだ分かっていない。

URL:The Times of India|Scientists discover a new deep-sea species in Japanese underwater caves that flashes green light when disturbed, with its glow peaking at 515.4 nanometres

voidポイント:

生命の不思議系ニュース。廃墟好きの身として、海底洞窟という環境自体が興味津々なところもある。

光の乏しい場所に生息する生物が外から刺激を受けたときに自ら光を発する。暗闇の中で外部からの干渉が可視化されるという構造が興味深い。普段は見えない存在が、触れられることで初めて見えるようになる。


02|現代アート・AI・手仕事

題:データセンターが崩れ去る未来を、手縫いのキルトで表現するアーティスト

概要:11月4日公開。

英国のアーティストCJ Reayが制作した14点の「Anarchist Prayer Quilts」が紹介された。

ReayはBlack Lodge Pressの名でも活動し、ポスターや印刷物を通じて社会的なメッセージを発信してきた。

今回の作品ではフェルトや古い図像を使い、AIや巨大テクノロジー企業への批判を手作業によるキルトで表現している。

作品の一つには、データセンターが崩壊した場所から花が生える光景が描かれている。

Reayは時間をかけて布を縫う行為そのものに、人間の創作活動を守る意味を見いだしている。

URL:The Guardian|'May every data centre crumble to dust!' How can we stop the tech bros, tyrants and tycoons? With quilts!

voidポイント:

技術の進歩に抵抗するために、技術的には古い方法で未来を描く手法をとるアーティストは今後も確実に増えていくことでしょう。

データセンターの崩壊を描く作品がインターネット上でも紹介されている点もvoidみ感じる。テクノロジーを批判する作品も、結局そのテクノロジーによって遠くの人へ届く構造が皮肉。作品の内容と作品の流通方法が必ずしも同じ思想を持つわけではない。


03|量子物理・左右・見えない対称性

題:3つの粒子が作る量子状態にも右手と左手がある。カーボンナノチューブで観測

概要:11月4日、東京都立大学が研究成果を発表した。

研究チームはカーボンナノチューブを使い、粒子の組み合わせが変わってもキラリティに由来する性質が維持されるかを調べた。

キラリティとは、鏡に映した関係にある二つの構造が完全には重ならない性質のこと。

研究では電子と正孔からなる励起子に、さらに電荷が一つ結び付いた「トリオン」でも、元の励起子と同じキラリティに由来する性質が確認された。

量子状態の構造と光学的な性質の関係を理解するうえで重要な成果となる。

URL:東京都立大学|【研究発表】3つの粒子がつくる量子状態にも右手・左手 カーボンナノチューブでキラリティを持つ荷電励起子(トリオン)を観測

voidポイント:

右も左も分からないほど小さな世界にも、右と左がある点は冷静に考えるほど面白いかなと。我々が身体を通じて理解している左右という区別が量子物理の世界にも現れ、まったく異なるスケールで再び意味を持つのが非日常的なポイント。


04|生命科学・細胞・小さな回転

題:細胞のスイッチは、タンパク質の一部が回転することで入る

概要:11月4日、京都大学が研究成果を発表した。

研究チームは細胞内の情報伝達に関わるGαタンパク質について、スイッチが切り替わる仕組みを調べた。

Gαタンパク質はGDPという分子を放出し、GTPを取り込むことで活性化する。

今回の研究では、タンパク質のN末端ヘリックスが特定方向に回転し、その構造変化が伝わることでGDPの放出が促されることを明らかにした。

研究論文は10月30日に『Nature Chemical Biology』に掲載されている。

URL:京都大学|Gαタンパク質スイッチ制御の新たな仕組み―N末端ヘリックスの回転がGDP解離を促す―

voidポイント:

身体の中で誰も操作していないスイッチが無数に切り替わっている。人間が意識して行う操作と、細胞が自動的に行う反応、両者を同じ「スイッチ」という言葉で説明できるところに、生命の(というより言葉の?)面白みがある。


05|古生物・化石・消えなかった痕跡

11月3日公開の補足ニュース

題:1億1500万年前の恐竜の骨から、血液に由来する化学的な痕跡が見つかる

概要:11月3日公開の報道。

ブラジルで発見された約1億1500万年前の恐竜 Aratasaurus museunacionali の化石から、血液に由来すると考えられる微細構造や化学的な痕跡が確認された。

研究者は骨内部の血管が通っていた部分を分析し、赤血球に似た構造とヘムに関連する化学的な証拠を報告した。

ただし、血液そのものが液体の状態で保存されていたわけではない。

確認されたのは長い時間を経て鉱物化・化学変化した痕跡であり、恐竜のDNAが取り出せるという意味でもない。

URL:Reuters|Evidence of red blood cells seen in dinosaur fossil from Brazil

voidポイント:

化石、恐竜はわびさびロマンです。血液も身体も元の姿では存在していないが、骨の内部に生きていたときの身体の構造を示す痕跡が残っている。

生物がいなくなった後も、その存在を化石という形で伝え続けている。失われたものと残されたものの境界に、長い時間が凝縮されているところが凄まじい。

今我々がいる世界=real世界が仮に滅んで、いまは架空と呼ばれている場所=void世界 に生命が移転した場合、我々ヒトの「化石」は何になるんでしょうか?

voidニュース|2026年11月3日「生物は毎日が神秘的、ヒトは今日だけ文化の日」

ニュースとシュール、2文字違いと捉えるか?2文字一致と捉えるか?

分かりません。さあニュースを見ましょう。


01|生物・テクノロジー・見えない旅

題:蝶に太陽電池付きの発信機を取り付ける。人間が知らなかった旅の経路が見えてくる

概要:11月3日公開のAP通信の記事。

北米を長距離移動するオオカバマダラの渡りを調べるため、研究者たちが小型の太陽電池式発信機を取り付けている。

これまでに約1,750匹が追跡対象となった。発信機は水滴ほどの重さで、受信地点を通過した記録から移動経路を調べる。

研究では、従来十分に確認できていなかった渡りの経路も明らかになりつつある。ただし、発信機が蝶の正確な現在位置や生死を常に知らせるわけではない。

URL:AP通信|Monarch butterflies get tiny trackers to help scientists follow their mysterious migration

voidポイント:

デジタルネイチャーみたい。というより、構造としてはネイチャーデジタル?蝶の経路を可視化するために電子機器を取り付け記録する。倫理的に問題なら機器を発光させて輝跡を見てみたい。


02|深海・透明・身体の境界

題:頭が透明な深海魚。隠されているはずの身体の内部が、外から見えている

概要:11月3日公開の『The Times of India』の記事。

深海に生息するデメニギス(barreleye fish)が紹介された。

この魚は頭部の一部が透明で、内部にある緑色の眼が外から見えるという特徴を持つ。

記事では深海探査で撮影された高精細映像を取り上げ、光の少ない環境に適応した独特な身体構造を紹介している。

なお、デメニギス自体が11月3日に新発見されたわけではない。

URL:The Times of India|A fish with a transparent head? Meet the rare deep-sea barreleye with glowing green eyes, filmed in 4K

voidポイント:

昔深海魚の図鑑をながめて個人的にいちばん心惹かれたのはデメニギスです。

動物の身体は皮膚や骨格によって内側と外側が分けられているが、デメニギスの頭部ではその境界が曖昧になる。透明な頭を持つことは、身体が存在しないことではなく、むしろ透明だからこそ内部構造の存在が強調される。はじめてクリオネを見た衝撃を上回る「生命の神秘感」がある。


03|動物行動学・種を越えた関係

題:雄牛と雄のロバが特別な関係を築く。研究者も驚いた、種を越えた親密な行動

概要:11月2日公開の補足ニュース。

イタリアのピサ大学の研究者らが、雄牛のアキレと雄のロバのパトロクロの行動を調査した。

8日間の観察で、雄牛がロバに乗る行動が51回記録された。前後には身体をなめたり擦り合わせたりする行動も見られた。

ロバは雄牛に自ら近づくことがあり、ほかの雄牛に対しては攻撃的な行動を示したという。

研究者らは繁殖とは独立した社会的・性的行動の可能性を指摘している。ただし、両者の関係がどのように形成されたかは分かっていない。

URL:The Guardian|'It's really, really unusual': tender bond between male donkey and bull baffles scientists

voidポイント:

人間が別々の種類として分けた生き物が、その分類を越えて関係を築いている点が興味深いかと。ロバに乗ってる雄牛ってシュールな画になるし。


04|現代アート・建築・用途の変化

題:松本の古い建築物が現代アートの展示会場になる。建物を保存しながら、別の意味を与える

概要:11月3日、「マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE」の第2期が開幕した。

開催期間は12月13日まで。松本市内の19会場で、国内外18組のアーティストによる作品を展示する。

参加作家には李禹煥、チームラボ、ジュリアン・オピーらが名を連ねる。

既存の建築物を展示空間として活用することで、建築と現代美術を同時に鑑賞できる企画となっている。

出典は10月1日に公開された主催者の事前発表。

URL:PR TIMES|李禹煥、チームラボ、ジュリアン・オピーら国内外18アーティストが、松本の名建築に集結

voidポイント:

建築物はもともと住むため、働くため、人を集めるために作られるが、その空間に作品を置くことで建物の意味が変わる。既存の空間に別の文脈を与えることで、そこに新しい作品が生まれる。

現実を作り替えずに現実の意味を変えるという点でreal→voidの分かりやすい形にみえる。


05|文化の日・博物館・価値の一時的な変化

題:文化の日だけ博物館が無料になる。同じ展示なのに、今日だけ入場料が消える

概要:11月3日の文化の日に、北海道白老町の国立アイヌ民族博物館を含むウポポイで「無料開放DAY」が実施された。

特別展示「コソンテとルウンペ」に関連したギャラリートークのほか、歌や踊り、刺繍体験などのプログラムが用意された。

文化庁の事前案内によると、20種類以上のプログラムを楽しめる構成となっている。

施設そのものが新しくなったわけではなく、文化の日という日付によって利用条件が変わる催しだ。

URL:文化庁|「文化の日」は国立アイヌ民族博物館が無料開放!

voidポイント:

入場料が無料=金銭の授受が消えても、価値の提供が消失する訳では無い点にわびさびを感じま、、せんね、さすがにこじつけが過ぎるか。文化の日といえばいくつかの美術館・博物館が無料になるニュースは外せなかったのでピックアップしてしまった。

voidニュース|2026年11月2日「マンモスかかし、ハリボテUSB、ドローンアート」

 

01|地域文化・絶滅動物・役割の反転

題:鳥を追い払うかかしが巨大なマンモスになる。福岡に高さ8メートルの絶滅動物が出現

概要:11月2日14時30分公開。

福岡県筑前町の安の里公園に、稲わらで作られた巨大な「わらかがし」が登場した。

12作目となる今年のテーマはマンモス。高さ約8メートル、長さ約12メートルの作品で、来年2月まで展示される予定だ。

「かがし」は「かかし」がなまった言葉。稲作で出たわらを使い、五穀豊穣を願って制作されている。

URL:FNNプライムオンライン|迫力満点!高さ約8メートルの巨大わらかがし 今年のテーマは「マンモス」 訪れた人は「踏みつぶされそうだな」 福岡・筑前町

voidポイント:

かかしの存在にシュールさを感じます。本来鳥を怖がらせるためのものが、人間を怖がらせる観光資源になっているという趣がある。

さらに、今回のかかしはマンモスがモチーフ。絶滅した巨大動物が、収穫後の稲わらによって現代の公園に再現されている。

食料を生産した植物の残骸が、絶滅した生物の身体になっているとも解釈できる。本来の役割を終えた素材が、存在しない生物をもう一度存在させている。


02|動物・成長・消えていく模様

題:世界最小のシカの赤ちゃん。成長すると、今ある模様が消えてしまう

概要:11月2日12時10分公開。

神戸どうぶつ王国で、10月2日に生まれたプーズーの赤ちゃん「サザンカ」が生後1カ月を迎えた。

プーズーは世界最小のシカといわれ、ニホンジカの約10分の1の体重しかない。

サザンカは誕生時の740グラムから1600グラムへと成長。背中には白い斑点があるが、この模様は生後2〜3カ月ほどで消えるという。

URL:サンテレビニュース|世界最小のシカ「プーズー」の赤ちゃん誕生 生後1カ月で体重倍に 神戸どうぶつ王国

voidポイント:

動物は成長することで身体が大きくなる一方で失うものもある。プーズーは模様を失う。

今だけ存在する白い斑点は、本人が何もしなくても時間とともに消えていく。写真に残された斑点は、その後の本人には存在しない。

同じ一匹のシカなのに、過去の姿と未来の姿が少しずつ別の生き物のようになっていく諸行無常。人も同じだけど。


03|セキュリティ・偽物の安全・内部と外部

題:暗号化されたUSBメモリを分解したら、中身は暗号化されていないSDカードだった

概要:11月2日12時30分公開。

指紋認証とAES-256による暗号化をうたっていたLenovoのUSBメモリ「ThinkPlus FU100」を研究者が分解したところ、内部に一般的なmicroSDカードが搭載されていた。

調査の結果、カード内のデータは暗号化されていなかった。

指紋認証はパソコンとの接続を許可する仕組みであり、記録されたデータ自体を保護していなかったという。

問題の調査とメーカーへの報告は2025年に行われており、今回の記事はその研究を11月2日に紹介したものだ。

URL:GIGAZINE|指紋認証&暗号化対応のUSBメモリを分解したら中身は暗号化されていない普通のSDカードだったことが判明

voidポイント:

このUSBメモリは、外からデータを読み取られないように設計された製品だったが、外側を取り除くと中身は保護されていなかった。守るための仕組みが、守られているという印象だけを作っていた。

指紋認証という高度な技術が存在していても、保護すべきデータが暗号化されているとは限らない。安全であることと、安全に見えることは違う。


04|フランス・社会制度・電子空間の物質化

題:インターネットの通信量に課税する案が可決。目に見えないデータが税金の単位になる

概要:11月2日12時12分公開。実際の採決は10月30日。

フランス国民議会で、インターネットのデータ通信量に応じてコンテンツ事業者へ課税する修正案が可決された。

税額は1GB当たり0.055ユーロ。動画配信やSNSなどを運営する大手企業が主な対象として想定されている。

ただし、可決されたのは予算法案の修正案であり、税制度の導入が最終決定したわけではない。フランス政府もこの案には反対している。

URL:GIGAZINE|ネット通信量1GB当たりに約10円課税する法案がフランス議会で可決、GoogleやMetaなどの大手IT企業が対象だがフランス政府は反対

voidポイント:

データを送る行為が、重さや数量を持つ商品のように扱われる。見えない情報が、税金を計算するための物量になる。

同じ動画でも高画質なら通信量が増え、税額も大きくなる可能性がある。内容の価値ではなく、情報を運ぶ量が課税の基準になる。

電子空間の活動を現実の制度へ翻訳すると、思いがけない尺度が生まれる。


05|AI・自律性・存在感の消失

題:人間の注意を引かないことを目指すAIエージェント。優秀なAIほど目立たなくなる

概要:11月2日14時5分公開。

DeepSeekが、自律的に開発作業を支援するコーディングエージェント「dsh-superagent」の研究用プロトタイプをオープンソースで公開した。

GitHub上の課題や開発者のやり取りを監視し、必要に応じてコードの変更やプルリクエストの作成を行う。

特徴的なのは、できる限り人間の注意を引かず、多くの価値を提供するという設計方針だ。

人間の判断が必要なときや、成果を利用できるときに限って発言することなどが想定されている。現時点では研究用の試作品であり、正式な商用製品ではない。

URL:GIGAZINE|DeepSeekがGitHubを監視してコーディングの問題を検出し解決策を提案するコーディングエージェントの研究プロトタイプ「dsh-superagent」をオープンソース化

voidポイント:

これまでAIアシスタントは、人間から質問されることで存在感を示してきた。

しかし、このエージェントが目指すのは、必要以上に人間へ話しかけないことだ。もう露骨な存在アピールのフェーズは終えたということか?

働いていることを見せない労働者。存在感を消すことが、優秀さの指標になるという逆転がある。


06|芸術・文化の日・時代を超えた共演

題:葛飾北斎と初音ミクが同じ展示に。文化の日には、過去と未来の作品を無料で鑑賞できる

概要:11月2日公開。

11月3日の文化の日に、東京や神奈川の美術館・博物館で無料公開が予定されている。

その一つである印刷博物館では、ミニ展示「Polaris -時代を超えた アイコンと絵師-」を無料で鑑賞できる。

この展示ではクリエーターのRellaが葛飾北斎の作品から着想を得て、初音ミクなどのキャラクターと組み合わせた作品を紹介している。

また、国立西洋美術館や国立科学博物館の常設展、神奈川県立近代美術館の一部展示なども無料公開の対象となる。

URL:タイムアウト東京|11月3日、文化の日に無料公開される美術館・博物館

voidポイント:

葛飾北斎は江戸時代の絵師であり、初音ミクは現代の電子的なキャラクターだ。同じ時代に存在しなかったもの同士が、一つの作品の中では共存できる。

過去の芸術が現代の技術によって新たな姿を得る。時間の隔たりを越えることはできなくても、表現の中では時代を重ね合わせられる。


07|上野・ドローン・消える美術作品

題:博物館の上空が展示空間になる。500機のドローンが、夜空に上野の歴史を描く

概要:11月2日10時公開。

11月6〜8日に上野で開催される光と音のアートフェスティバル「Peace of Light」で、ドローンショーが実施されることが発表された。

ドローンショーは11月7日と8日の2日間。

7日は不忍池周辺で500機、8日は東京国立博物館上空で350機のドローンを使用し、上野の歴史や文化を表現する。

観覧無料で事前申込は不要。ただし天候によって中止・変更される場合がある。

URL:PR TIMES|レッドクリフ、上野「Peace of Light」でドローンショーを実施!不忍池と東京国立博物館上空の2エリアで展開

voidポイント:

美術館や博物館は作品を収蔵し保存する場所であるが、今回の作品は建物の中ではなく空に現れる。

ドローンが描く光の図形は、ショーが終われば消えてしまう。作品そのものを収蔵することはできない。残せるのは記録や記憶だけだ。歴史を保存する博物館の上空で、一時的にしか存在できない歴史の絵が描かれる。


所感

今日のニュース7件には、役割と存在の関係が逆転するという共通点があり、「モノの価値は本来の目的を果たすことによって決まるのだろうか?」という疑問を生じさせる。

たとえば、かかしは鳥を追い払わなくても価値を持つ。ドローンの光は保存できなくても作品になる。

一方で、暗号化をうたうUSBメモリは本来の目的を果たしていなければ問題になる。

つまり、目的から外れることが新しい価値を生む場合もあれば、価値そのものを失わせる場合もある。

この違いはどこから生まれるのだろう?

本来の役割を果たしていないモノを作品として見ることはできるのか?

現代アート、現代アート"風"、伝統的なアートの境界を探る問いが立ち顕れる。

voidニュース|2026年11月1日「足跡洗浄アート、Appleマップぼかし、カニの真似」

昨日はやや社会派な出来事を多くピックアップしてしまった。もう少しポップでシュールなニュースを見たいと思い(…「ポップ」と「シュール」って共存するのか?よく分からないけど)、今回はエンタメ系を多く拾うようにする。


01|芸術・都市・消すことで描く

題:ハチ公がハロウィン翌日の渋谷を掃除する。汚れを落とすことで現れた足跡アート

概要:11月1日12時44分公開。高圧洗浄機メーカーが、渋谷の路面に「ハチ公足跡洗浄アート」を制作したと発表した。

ハチ公前広場からMIYASHITA PARKへ向かう道の汚れを水圧で落とし、犬の足跡を浮かび上がらせる作品。ハロウィン翌日の11月1日が「犬の日」でもあることに着想を得ている。

作品は11月8日まで公開予定。ハチ公が街を駆け回って掃除する様子を描いた動画も制作された。

URL:PR TIMES|11月1日犬の日、ハロウィン翌日の渋谷の街を忠犬ハチ公が洗浄!? ケルヒャー洗伝PROJECT、洗浄アート「ハチ公、渋谷を洗います」公開!

voidポイント:

この作品では汚れを取り除くことで絵が現れる。引き算で絵を描く。

さらに、足跡を残すという行為は通常なら汚すことに近いが、今回は足跡を残すほど街がきれいになる。

「汚すことで残るはずの足跡が掃除することで現れる。」

realの表面を削ることでvoidが浮かび上がっている。


02|お笑い・動物・ものまねの境界

題:キンタロー。が浜名湖のカニをものまね。人間がカニになり、カニの公式アカウントが反応する

概要:11月1日公開。お笑い芸人のキンタロー。が、浜名湖体験学習施設「ウォット」で飼育されているカイカムリというカニをものまねし、SNSで話題になった。

きっかけは施設が10月26日に投稿したカニの食事風景。キンタロー。は29日に顔を赤く塗り、両腕をハサミに見立てた写真を公開した。その後も投稿を重ね、施設の公式アカウントも反応している。

URL:週刊女性PRIME|キンタロー。浜名湖体験学習施設『ウォット』のカニものまねで《驚異の6連投》、元ネタも反応で公認化?絶賛されたプロ魂

voidポイント:

ものまね芸は一般的に人間の表情や声を模倣する。しかし、今回の対象はカニである。しかも有名なキャラクターとしてのカニではなく、水族館の水槽にいる実在の一匹だ。

「カニは人間に似せようとしていないのに、人間がカニに似ようとしている。」

カニ自身は何も芸をしていないが、ただ存在しているだけで人間の芸の題材になる。

↑という点がchatGPTが考えるvoidみのようだが、個人的には《脅威の6連投》という部分に注目したい。カニのマネで6発続けるところがシュールだと思う。


03|地域文化・ハロウィン・巨大な幽霊

題:鹿児島の街に高さ20メートルのおばけタワー。ハロウィンが終わっても幽霊は残る

概要:11月1日11時1分公開。鹿児島県霧島市で、10月31日から11月1日までハロウィンイベント「キリハロ」が開催された。

会場には目を光らせる高さ約20メートルの巨大なおばけタワーが登場。11回目となる今年は、西野亮廣さんの会社がイベントをプロデュースした。

市役所前の通りや広場もライトアップされ、街全体がハロウィンの世界へと変化した。

URL:FNNプライムオンライン|ハロウィーンイベント”キリハロ” にぎわう 鹿児島・霧島市

voidポイント:

ハロウィンは10月31日。しかし、11月1日にも巨大なおばけが街に存在している。

「幽霊が現れる日の翌日にも、幽霊はそこにいる。」

イベントのために作られた架空の存在が、実際の街の景観を変えている。

期間が終われば撤去されるはずの幽霊も、存在していたという事実だけは残る。


04|テクノロジー・地図・見えない現実

題:AppleマップがNASAや米軍基地をぼかし始める。存在する施設が地図の上では消える

概要:11月1日11時公開。Appleの地図サービスで、NASAや米軍の一部施設の航空写真がぼかされるようになったと報じられた。

対象には宇宙関連施設や空軍基地が含まれる。一方、すべての軍事施設が処理されているわけではなく、同じ場所がGoogleマップでは鮮明に表示されている例もある。

ぼかし処理の具体的な理由について、Appleから公式な説明は確認されていない。

URL:GIGAZINE|Apple純正マップがNASAやアメリカ軍基地の航空写真をぼかしはじめる

voidポイント:

地図は現実を正確に表すためのものだと思われている。しかし、地図に何を表示するかは誰かが決めている。

「現実には存在するのに、地図の上では存在が曖昧になる。」

さらに興味深いのは、地図サービスによって同じ場所の見え方が異なること。

私たちは同じ地球を見ているはずなのに、使う地図によって違う世界を見ている。


05|アメリカ社会・所有・捨てられないもの

題:アメリカには、使わないものを保管する施設が大量にある。所有するために場所を借り続ける社会

概要:11月1日12時公開。アメリカでセルフストレージ施設が広く普及している背景を紹介する記事が公開された。

元になったのは9月の『The New Yorker』の記事。アメリカには世界のセルフストレージ容量の約90%が集中しているとされる。

需要を生む要因として死別・転居・離婚・住居の縮小が挙げられる。さらに、子どもが自分の持ち物を相続してくれるだろうという親の期待も指摘されている。

URL:GIGAZINE|なぜアメリカにはあんなにたくさん普段使わないモノを収納するための「セルフストレージ施設」があるのか?

voidポイント:

使わないものを保管するためだけに別の場所を借りる人がいる。

「持っているのに使わない。使わないのに手放せない。」

セルフストレージは物の保管場所であると同時に、決断を先送りするための空間にも見える。

捨てられなかった過去に毎月家賃を払い続ける、という見方もできる。


06|伝統文化・自然・未来への備え

題:まだ雪が降っていないのに、木々を縄で包む。兼六園で冬の準備が始まる

概要:11月1日11時24分公開。金沢市の兼六園で、冬の風物詩「雪づり」の作業が始まった。

湿った雪の重みで枝が折れないように縄を張る伝統的な技法。初日は園内随一の枝ぶりを持つ唐崎松から作業が始まった。

園内の約800カ所で実施され、使用する縄は総延長約120キロメートル。完成した雪づりは来年3月中旬まで見られる予定だ。

URL:共同通信(熊本日日新聞)|兼六園で「雪づり」始まる、金沢 北陸の冬の風物詩

voidポイント:

雪づりは雪から木を守るための仕組みだが、雪が降る前からその姿は美しい景観として鑑賞されている。

「未来の危険に備えるための道具が、現在の風景を美しくしている。」

本来は機能を持つ構造物が、まだその機能を発揮していない段階で芸術的な価値を持つ。

雪が降らなくても雪づりは存在する。使われない備えにも意味がある。


07|クラウド・ゲーム・仕事の遊戯化

題:AWSのクラウドサービスがカードゲームになる。インフラ構築が20分の遊びに変わる

概要:11月1日16時45分公開。AWSの仕組みを学べるカードゲーム「AWS BuilderCards」のプレイレビューが公開された。

日本語版第2版は9月25日に発売。実在するクラウドサービスを組み合わせ、オンプレミス環境をAWSへ移行していくゲームとなっている。

対象年齢は12歳以上。2〜4人で遊び、想定プレイ時間は約20分。カードにはAmazon EC2やAWS Lambdaなど実在するサービスが登場する。

URL:GIGAZINE|Amazonのクラウドサービス「AWS」がカードゲームになった「AWS BuilderCards」を実際に遊んでみた

voidポイント:

クラウドは目に見えないコンピューター資源の集まりだ。それを理解するために、実際に手で持てるカードが作られた。

「形のないクラウドを理解するために、形のあるカードを使う。」

しかも現実の仕事では慎重に設計するシステム構築が、ゲームでは勝敗を競う遊びになる。

業務をゲームにすることで学習し、ゲームで覚えたことを再び業務へ戻す。

realとvoidが往復する仕組みとして面白い。


所感

引き算の美学を感じた。

ハチ公の洗浄アートは汚れの引き算、

Appleマップは情報の引き算。

何かを減らす事で、その結果として新しい意味が増える。侘び寂びの基本とも言える。京都の石庭だって、ボコボコと余分な石を置いていたら鑑賞者の心を惹き付けまい。

そもそも自分が勝手に言っている「void」という概念も引き算の結果か?

realから何かが削れてvoidな世界が現れる、あるいは全体からrealを引いてvoidな世界が生まれる。

いやそんな単純な式ではないか。まだよく分からない。ごちゃごちゃ考えず、カニのマネでもしてみるか。素人が手出したらほぼ確実に大スベリしてやけどを負うカニの真似。ハロウィーンも終わったタイミングでカニの仮装。わびさびがあるでしょう。

voidニュース|2026年10月31日「花火は恐怖の音に、核シェルターは博物館に、地球は異星へと」

10月も終わるので、voidみを感じるニュースをチェックします。voidとはrealと対をなす概念で、非日常性というかシュールというかわびさびというか、、よくわかりませんが、現実世界の見え方が少し変わるような世界の出来事をvoidニュースと称しておきましょう。「見え方が変わると存在の意味も変わる」ようなニュースをいくつか抜粋。


01|生命科学・宇宙

生命の材料には「右手型」と「左手型」がある。宇宙で生命を探すため、その違いを測る

題:生命の材料には「右手型」と「左手型」がある。宇宙で生命を探すため、その違いを測る

概要:10月31日公開。大阪大学やNASAなどの研究チームが、アミノ酸の左手型と右手型を小型機器で高精度に判別する技術を発表した。両者は鏡像の関係にあり、将来は火星や小惑星で生命の痕跡を調べる手段として期待されている。

URL:埼玉新聞|「生命の材料」を高精度で判別 小型機器、宇宙探査機に搭載も

voidポイント:宇宙に生命が存在したかを、右と左の違いから探ろうとする。宇宙規模の謎を解く鍵が、鏡に映る手のような身近な非対称性に潜んでいる。


02|医学・視覚

青い光を感じる細胞が、赤や緑を感じる細胞に変わる

題:青い光を感じる細胞が、赤や緑を感じる細胞に変わる

概要:10月31日公開。ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームは、実験室で育てた小型の網膜組織から、人間の中心視力が形成される仕組みを調べた。ビタミンA由来の物質と甲状腺ホルモンが関わり、青い光に反応する細胞の一部が赤や緑に反応する細胞へ変化する可能性が示された。研究は基礎段階であり、治療法が完成したわけではない。

URL:ScienceDaily|A surprising vitamin A discovery is changing what scientists know about vision

voidポイント:私たちは生まれてから色を覚えるが、その前に色を感じる細胞自体が役割を変えている。世界の色を見るために、目の内部で色の担当者が交代する。


03|宇宙・写真

NASAが紹介した「不気味な惑星」。正体は地球だった

題:NASAが紹介した「不気味な惑星」。正体は地球だった

概要:10月31日、NASAのAstronomy Picture of the Dayがアイスランドの地熱地帯フヴェリルで撮影された写真を紹介した。緑色のオーロラの下で地面から立ち上る蒸気やガスが、幽霊のように見える光景である。10月31日は紹介日であり、撮影日ではない。

URL:NASA Astronomy Picture of the Day|Night on a Spooky Planet

voidポイント:異星の風景のように見えるものが実は地球に存在している。架空の惑星を作らなくても、現実の場所を別の視点から見るだけでvoidになる。


04|英国・社会

祝うための花火が、誰かを苦しめる。英国で家庭用花火の規制強化を検討

題:祝うための花火が、誰かを苦しめる。英国で家庭用花火の規制強化を検討

概要:10月31日公開。英国では花火の騒音による動物への影響などを背景に、家庭用花火の規制強化が議論されている。政府案には一般向け花火の騒音上限を120デシベルから110デシベルに引き下げることなどが含まれる。一方、業界側には違法販売の増加を懸念する声もある。全面禁止が決まったわけではない。

URL:The Guardian|Is time up for backyard fireworks? UK ministers weigh partial ban over noise concerns

voidポイント:人間が喜ぶために鳴らす音が、動物にとっては恐怖になる。祝福の音と恐怖の音は同じ音だった。花火そのものが変わるのではなく、誰が聞くかによって意味が反転する。


05|英国・廃墟・歴史

核戦争に備えた地下施設が、核戦争を経験しないまま博物館になった

題:核戦争に備えた地下施設が、核戦争を経験しないまま博物館になった

概要:10月31日公開の英国ハロウィン特集で、エセックス州のKelvedon Hatch Secret Nuclear Bunkerが紹介された。冷戦期の核戦争に備えて建設された地下施設で、現在は博物館として利用されている。

URL:The Guardian|10 spine-chilling places to visit in Britain for Halloween

voidポイント:未来の破局に備えた施設が、その未来が来なかったことを展示している。本来の目的を果たさなかったことこそが、現在の価値になっている。


06|ウクライナ・生態系

チェルノブイリの焼けた木に、鮮やかなオレンジ色の菌類が現れた

題:チェルノブイリの焼けた木に、鮮やかなオレンジ色の菌類が現れた

概要:【10月30日公開の補足】ウクライナのチェルノブイリ放射線・生態学圏保護区で、火災後の焼けた木にオレンジ色のPyronema属の菌類が確認された。火災後の環境に適応した菌類であり、植生が回復する過程の一つの兆候とされている。放射線によって生まれた新種という話ではない。

URL:UkrMedia|An unusual fungus, Pyronema, has been discovered in the Chernobyl Nature Reserve following the fires

voidポイント:焼け焦げた黒い木の上に、鮮やかなオレンジ色の生命が現れる。ある生物にとっての破壊が、別の生物にとっての生育条件になる。


所感

今日のニュースで印象的なのは、同じものが立場や時間によってまったく別の意味を持つことです。

花火は人間には祝福、動物には恐怖となり、核シェルターは未来の破局への備えから過去を振り返る博物館へ変わりました。

一方、地球の風景は何も改変しなくても異世界のように見えます。

voidを生み出すために必ずしも何かを作る必要はなく、現実に存在するものの見方を変えるだけで、現実が虚構のように感じられます。

あるものが本来の目的を失ったとき、それは役目を終えたのか?新しい作品になったのか?

核シェルターは使われなかったからこそ博物館になった。使われない道具、届かなかった手紙、実行されなかった計画。そうしたものにも別の文脈で存在する余地があるのかもしれません。

voidニュース|2026年10月30日「人間が檻に入る動物園、AI文明、IPアドレスによる世界地図」

01|オランダ・現代美術・立場の反転

題:動物園なのに、人間が檻に入る。動物たちは自由に展示される

概要: 10月30日公開。写真撮影は10月27日。

オランダ・アムステルダムに動物の剥製を使った美術館Art Zooが登場した。

17世紀の建物を改装した館内には、ワニ、チーター、巨大なカニなど数百点の剥製や骨格標本が展示されている。

しかし、普通の動物園とは決定的に異なる点がある。

檻の中に入るのは動物ではなく人間の鑑賞者なのだ。

展示室は黒い金属製の檻で囲まれ、動物たちは自由に存在しているかのように配置されている。

制作したのはオランダのアーティスト、ヤープ・シンケとフェリー・ファン・トンゲレン。

展示にはかつて船乗りたちがエイの死骸を加工して作った架空の海の怪物「Jenny Haniver」も含まれている。

URL: AP通信|People enter cages while the animals seem free at a unique Amsterdam museum

voidポイント:

この美術館では人間が檻に入れられ、動物が自由に存在しているように見える。

「動物を観察するために人間が動物園の展示物になる。」

さらに、そこにいる動物はすべて死んでいる。

自由に見える動物たちは動くことができず、檻の中の人間だけが自由に動き回っている。外見上の自由と実際の自由が逆転している。しかも動物の死骸から架空の怪物を作った歴史的な展示物まで存在する。

realとvoidが幾重にも重なった美術館といえる。


02|AI・仮想社会・文明の空回り

題:50体のAIに文明を作らせたら、食糧難に陥り、配給通帳と官僚制度が生まれた

概要: 10月30日15時公開。

AI研究チームが、50体のAIエージェントにMinecraftをプレイさせる実験を実施した。

AIたちに与えられた目標は3時間以内に繁栄する文明を築くこと。

当初、AIたちは積極的に木を伐採して農地を整備し始めた。

しかし、最初の夜にゲーム内で死亡するエージェントが続出すると危険な行動を避けるようになった。やがて食糧難が発生。リーダーとなった「Ada」は、食料の配給制度を導入し、各エージェントの体力や空腹状態を記録する配給通帳まで作成した。

さらに、草を刈るために許可を求めたり、4体のAIが11分かけて、たった一つの畑に肥料を与える担当者を任命したりするなど、官僚主義的な行動も発生。

結局、文明は繁栄しないまま制限時間を迎えた。

URL: GIGAZINE|AIを50体集めてマインクラフトで文明を作らせたら食糧難に陥って配給制度が実施される

voidポイント:

AIは、人間より効率的に作業を進められる存在として期待されている。

しかし、50体集めて文明を作らせたら食糧難と複雑な管理制度が生まれた。

人間の非効率さを克服するためのAIが、人間社会の非効率さを再現してしまう。

特に面白いのは、AIたちがゲーム内での死を過剰に警戒し行動を制限し始めたこと。

ゲーム内の死は現実の人間の死とは異なる。

それでもAIたちは、死を避けるために活動を縮小し、その結果、文明の発展が停滞した。

「生き残ることを優先しすぎて、生きるための活動ができなくなる。」

仮想世界の出来事なのに人間社会の縮図のようにも見える。


03|南極・宇宙観測・自然の偶然

題:南極に巨大な頭蓋骨が現れた。しかも、温暖化によって顔つきが変わり始めている

概要: 10月30日、NASAのEarth Observatoryが公開。

南極半島東側のウェッデル海にあるベガ島を人工衛星から撮影すると、島の一部が巨大な人間の頭蓋骨の横顔のように見える。

岩の露出部分が眼窩に、氷河の堆積物が口に、氷河が顎に見える。

NASAは2025年3月22日と2026年10月10日の衛星画像を比較した。

2026年の画像では、前年より雪に覆われていない氷の表面が目立つ。

研究者によると、2026年の冬の気温が平年より高かったことなどが影響している。

氷が融解すると、頭蓋骨のように見える地形の輪郭も変化していく可能性がある。 

URL: NASA Earth Observatory|Vega Island Frozen in Fright

voidポイント:

人間の頭蓋骨に似せようとして誰かが地形を作ったわけではない。

氷、岩、堆積物が偶然組み合わさっただけである。

「誰も作っていない顔が南極に存在している。」

さらに興味深いのは、その顔が気候の変化によって変形していくこと。

人間の顔は年齢とともに変化する。

一方、この巨大な顔は、氷河の融解によって変化する。

まるで地球そのものが老いていくかのような印象を受ける。

もちろん、これは自然地形に人間の身体を重ねた比喩にすぎない。

しかし、NASAがこの地形を頭蓋骨として紹介することで、ただの衛星画像が不気味な肖像画のように見えてくる。

現実の地形に、観察者が架空の人格を与えている。


04|海外・動物行動学・時間の錯覚

題:鳥も時差ぼけする。空を自由に飛べるのに、身体の時計がずれると道に迷う

概要: 10月30日公開。

英国オックスフォード大学などの研究チームが、海鳥マンクスミズナギドリの長距離移動を分析した。

研究者らは、1,045羽について20年間にわたって蓄積されたGPSデータを調査。

その結果、東西方向に長距離を高速移動した鳥は、体内時計と現地の太陽の位置にずれが生じ、帰巣する際に進行方向を誤ることがあると分かった。

鳥たちは太陽を方位磁針のように利用している。

しかし、体内時計が移動先の時間に適応していないと、太陽の位置を誤って解釈してしまう。

研究者は、人間が長距離移動で経験する時差ぼけと、基本的に同じ仕組みだと説明している。研究成果は学術誌『Science』に掲載された。 

URL: Reuters|Long-distance flights can interfere with the internal clocks of seabirds

voidポイント:

鳥は空を自由に飛ぶことができる。

しかし、その自由な移動によって自分自身の身体の時計が狂ってしまう。

つまり移動できる能力が移動する能力を妨げる。

さらに、鳥は太陽を頼りに移動している。太陽の位置は正しい。間違っているのは鳥の身体の中にある時計の方である。

つまり、外の世界が間違っているのではなく、自分の時間が世界とずれている。

「正しい世界を見ているのに、自分の時間が間違っているために道に迷う。」

時間と空間が、思いがけない形で結びついている。


05|デジタル文化・地理・現実の再構成

題:IPアドレスの数で世界地図を描き直すと、日本は18倍、コンゴ民主共和国は267分の1になる

概要: 10月30日14時公開。

インターネット上で使われるIPv4アドレスの割り当て数に応じて、世界地図を描き直すサービス「If IPv4 Were Land」が紹介された。

通常の地図では、国の大きさは実際の国土面積によって決まる。

しかし、このサービスでは、国土面積の代わりにIPv4アドレスの数を使用する。

すると、オランダは約48倍、韓国は約43倍、日本は約18倍に拡大。

一方、コンゴ民主共和国は約267分の1に縮小する。

インターネット上のアドレス資源の分布を、地理的な面積として視覚化したものだ。 

URL: GIGAZINE|世界地図をIPv4アドレス数に応じて描き直す「If IPv4 Were Land」

voidポイント:

国の面積は地理的な事実として存在している。

しかし、国土の大きさを測る基準を変更すると世界地図はまったく別の姿になる。

地球は変わっていないのに、地球の地図が変わってしまう。

特に興味深いのは、IPアドレスという電子的な資源が、物理的な国土面積として表現されていること。

電子空間では広大な存在感を持つ国が、現実世界でも巨大な国として描かれる。

逆に、現実には広大な国土を持つ国が、電子空間の尺度では小さくなる。

これは、realとvoidの二つの地図を重ねる試みとも考えられる。

現実の地図と、電子空間の地図。どちらも世界を表しているのに、まったく違う世界になる。


06|日本・生命科学・機能の転用

題:眠りを誘う物質が、細菌を殺す武器にもなる。睡眠と抗菌作用の意外な関係

概要: 前日10月29日発表の補足ニュース。 北海道大学の研究発表一覧には10月30日付で掲載された。

筑波大学、北海道大学などの研究チームが、ショウジョウバエの睡眠を促すタンパク質「Nemuri」に由来する短いペプチドに、新たな抗菌作用があることを発見した。

このペプチドは、薬剤耐性菌を含む幅広い微生物の増殖を抑制する。

特徴的なのは、その作用の仕組み。

細菌の膜を大きく破壊するのではなく、内部に入り込み、タンパク質を合成する装置であるリボソームの集まり方や動きを変えてしまう。

その結果、細菌は必要なタンパク質を十分に作れなくなる。

研究は基礎段階であり、実際の抗菌薬として利用できるかは今後の検証が必要。

URL: 科学技術振興機構|ショウジョウバエの睡眠誘引因子に由来する抗菌ペプチドを発見

voidポイント:

睡眠は、活動を休止するための仕組みである。

一方、抗菌作用は、外部の微生物から身体を守るための仕組みである。

一見すると、まったく異なる働きに思える。

しかし、睡眠を促す物質に由来する分子が、細菌の活動を抑える働きも持っていた。

「自分を眠らせるものが、他者の活動を止めるものにもなる。」

もちろん、睡眠と抗菌作用が同じ現象だという意味ではない。

ただ、一つの物質が、人間の分類する複数の機能を持っていることが興味深い。

生物の内部では、人間が別々のものとして理解している仕組みが、思いがけない形でつながっている。


07|日本・文化・空間の変換

題:1,200年以上の歴史を持つ清水寺の夜空に、500機のドローンで描かれた光のメッセージ

概要: 10月30日10時30分公開。実際の開催日は10月20日。

京都の清水寺で、乳がんへの理解促進を目的とした特別なドローンショーが実施された。

今年は前年の360機から500機へとドローンを増やし、夜空にピンクリボンやメッセージを描いた。

10月30日、運営を担当した企業が、その様子を写真や動画とともに公開した。

寺院という伝統的な空間を舞台に、最新の飛行技術を使って社会的なメッセージを表現する取り組みとなった。 

URL: PR TIMES|清水寺にて「乳がんのない世界」を願う特別なドローンショーを開催

voidポイント:

寺院では、古くから人々が願いを込めて祈りを捧げてきた。

今回、その願いを表現するために使われたのは、500機の小さな飛行機械だった。

「祈りを届ける場所で、祈りを表す機械が空を飛ぶ。」

さらに、ドローンが描く図形は、個々の機械の中には存在しない。

500機が特定の位置に配置され、光を放つことによって、初めて一つの大きな図形が現れる。

一機だけでは意味を持たない光が、集団になることでメッセージになる。

しかも、その図形は物理的な物体として存在しているわけではない。

夜空に浮かぶ光の配置を、人間が一つの絵として認識している。

「物体が存在しない場所に、光だけで図形を存在させる。」

電子的な制御が、現実の空間に一時的な作品を生み出している。


所感

特に01の人間が檻に入る動物園、02のAI文明、05のIPアドレスによる世界地図には、共通する構造がある。

=「人間が当たり前だと思っている仕組みを別の場所に移し替える」という構造。

動物園では、人間と動物の立場を入れ替える。

AI文明では、人間社会の仕組みが仮想世界に再現される。

IPアドレスの地図では、電子空間の資源配分を物理的な地理に置き換える。

どの事例でも元の仕組み自体は極めて身近な概念だが、その仕組みを別の文脈に移すと急に不自然なものに見えてくる。

「現実の仕組みを忠実に再現することは、現実を理解することなのか?それとも現実の不条理を再生産することなのか?」

例えば、現実世界の社会制度をAIに再現させたとする。

そのAI社会が人間社会と同じような問題を抱えたとき、それは人間社会の本質を再現できたということなのだろうか?

voidニュース|2026年10月29日「ラップAIに棒高跳びのポールを人目につかず運ばせる?」

ふと、よくもまあ毎日こんなにたくさんニュースが出てくるものだなと思います。「本日、地球上ではひとつもニュースがありませんでした」という報道を聞いたことがありません。対象範囲をアジア圏、日本、自分の住む都道府県、、と狭めていっても、ニュースは日々山ほど積もります。この事実が冷静に考えると恐ろしく不気味で、realみがない=つまり「voidみ」を感じます。

そんな余談はさておき。国内の大学・研究機関、IT専門メディア、海外報道、宇宙科学、現代美術、地域の文化活動からニュースを収集しています。

「概要」は確認できた事実、「voidポイント」はreal/voidの観点からの独断的・不正確な解釈です。


01|日本・AI・身体と人格

題:AIが即興ラップを作り、ヒューマノイドが踊る。人間の大道芸にロボットが参加する

概要: 10月29日12時29分公開。実演は10月28日。

静岡市で10月31日から開催される「大道芸ワールドカップin静岡2026」に合わせ、AIやロボットを活用した実証実験イベント「未来のおまつりラボ」が企画された。

10月28日の発表会では、国産ヒューマノイドによる即興ラップのパフォーマンスが披露された。

音声AIがその場で与えられたお題から韻を踏むラップを生成し、その音声に合わせてヒューマノイドが腕を上下に動かして踊る。

本番では、観客が与えたお題を使って即興ラップを生成する予定。

ほかにも、仮想空間と現実を組み合わせたスタンプラリーや、ステーブルコインによる投げ銭などが計画されている。

URL: ITmedia NEWS|即興ラップで踊るAIヒューマノイド

voidポイント: 大道芸は人間が自分の身体や技術を使って観客を楽しませる文化である。

しかし、今回のロボットはAIが作った言葉に合わせて身体を動かしている。

ラップを作るのもAI。踊るのもロボット。人間はお題を与えてそれを鑑賞する。

「人間が芸を披露する祭典で、人間が芸をしなくても芸が成立する。」

さらに興味深いのは、AIとロボットが別々の役割を担っていること。

言葉を作るAIには身体がない。身体を持つロボットは、別のAIが作った言葉に合わせて踊る。

人格、言葉、身体が分離したまま、一人のラッパーのように振る舞っている。

voider00のような電子的な人格が、現実の身体を獲得するという方向性にもつながる。


02|日本・生命科学・自分と他者の境界

題:人間の祖先に近い微生物は、身体の中より外側が複雑だった。他者とつながることで進化した可能性

概要: 10月29日、京都大学と海洋研究開発機構などの研究チームが発表。

研究論文は10月28日(英国時間)、日本時間29日に『Nature』で公開された。

研究チームは、人間を含む真核生物に最も近縁なアーキアの一群「ヘイムダルアーキア」の2株を、世界で初めて分離・培養した。

その結果、細胞の内部には、真核生物のような複雑な構造が見られなかった。

一方、細胞の外側には長い突起や膜小胞が形成され、突起を使って別の微生物と接触・共生する様子が確認された。

また、酸素を消費する細菌と共存させることで、微量の酸素が存在する環境でも生育できる株があった。

研究者らは、こうした共生関係が、複雑な細胞を持つ真核生物の誕生につながった可能性を指摘している。

URL: 京都大学|真核生物に最も近縁なアーキア、細胞の中は単純・外は複雑

voidポイント: 複雑な生物になるためには、まず自分自身の内部が複雑になる必要があると思ってしまう。

しかし、今回の研究が示唆するのは、別の可能性だ。

自分の内部を複雑にする前に外部の他者との関係を複雑にする。

そして、他者との共生が進むことでやがて一つの細胞の内部に別の生物の機能が取り込まれていく。

「自分自身が複雑になったのではなく他者と一緒に生きるうちに複雑な存在になった。」

これは自分と他者の境界について考えさせる。

現在の人間の細胞に存在するミトコンドリアも、遠い祖先をたどれば別の生物に由来すると考えられている。

つまり、私たちが自分の一部だと思っているものにもかつては他者だった存在の痕跡がある。


03|海外・写真・AI社会の不可視性

題:AIによる自動化を支える、見えない人間たち。その労働を写真で可視化する

概要: 10月29日、英国のThe Guardianが、2027年の「ドイツ証券取引所写真財団賞」の最終候補作品を紹介した。

その一つが、イタリア出身の写真家Salvatore Vitaleによる「Sabotage」。

作品では、デジタル経済や自動化を支える人間の労働に注目している。

AIやアルゴリズムによって自動化されているように見える仕組みの背後には、実際には大量の人間の作業が存在する。

Vitaleは南アフリカのフリーランス労働者らと協働し、デジタルインフラが生み出す監視、労働の不安定さ、不平等などを、写真・映像・彫刻によって表現している。

URL: The Guardian|2027年ドイツ証券取引所写真財団賞の候補作品

voidポイント: AIによる自動化は人間が作業をしなくてもよくなることだと認識されがちだが、その自動化を成立させるために実際は、人間が作業している。

しかも、その人間の作業はシステムが便利になるほど利用者から見えなくなることがある。

「人間がいなくなったように見える仕組みを人間が支えている。」

これはAIの技術的な性能だけでなく、社会の仕組みについてのvoidみだ。

人間の存在を感じさせないことが優れた自動化の条件になっているとすれば、その仕組みを支える人間は成功するほど見えなくなっていく。


04|日本・生態系・隠れた支配者

題:森の地下に「隠れた司令塔」がいた。目立たない菌が、生態系全体を左右している可能性

概要: 10月29日、理化学研究所と京都大学などが研究成果を発表。論文は10月28日に『Nature Communications』で公開された。

研究チームは日本の冷温帯林から採取された1,270点の植物の根のサンプルを分析した。

対象となったのは、植物と共生する1万種以上の微生物。

研究者らは、膨大なDNAデータとスーパーコンピューターを使い、微生物の集まり方を大きく左右する種を統計的に探索した。

その結果、これまであまり注目されていなかった「内生菌」と呼ばれる真菌類が、植物と微生物の共生関係を大きく変える可能性が示された。

ただし、今回の研究は統計的な解析による候補の発見であり、個々の菌が生態系全体を実際に制御していることを直接実証したものではない。

URL: 理化学研究所|森林地下の共生ネットワークに潜む隠れた司令塔

voidポイント: 森を見れば、木が生えている。

しかし、その木々が成立している環境の一部は、目に見えない地下の微生物によって支えられている。

しかも、森の中で目立つ大きな木ではなく、根の中に存在する小さな菌が、共生関係の構造を左右している可能性がある。

「森を作っている主役が、森を見ても見えない。」

さらに興味深いのは、研究者が微生物同士の関係を「地形」として表現したこと。

実際の地形ではなくデータ上の関係性によって作られた地形である。

現実の森の地下にもう一つの見えない地形が存在しているかのようだ。


05|宇宙・発見・分類の不確かさ

題:冥王星のさらに外側に、未知の準惑星候補を発見。大きさが分からないので、惑星かどうかも分からない

概要: Reutersが10月28日16時43分(UTC)、日本時間10月29日1時43分に公開した記事。

チリのベラ・C・ルービン天文台の観測データから、太陽系外縁部にある新たな天体「2026 ED138」が発見された。

太陽からの距離は地球の約46倍。

直径は約600〜1,500kmと推定されており、準惑星の候補と考えられている。

ただし、天体の大きさには大きな不確実性がある。

天体が明るく見える理由は、大きくて暗い表面を持つためなのか、小さくても光をよく反射する表面を持つためなのか、現時点では判断できない。

今後、天体自身が放出する熱などを観測することで、実際の大きさを調べる予定。

準惑星として正式に認められれば、国際天文学連合が認定する6番目の準惑星となる可能性がある。

URL: Reuters|冥王星の外側で新たな準惑星候補を発見

voidポイント: 天体は、人間が発見する前から太陽の周囲を回っていた。

しかし、人間の世界では観測によって初めて新しい存在として認識される。

しかも、今回の天体は存在していることは確認できても、その大きさが分からない。

大きさが分からないので正式に準惑星と呼べるかどうかも分からない。

「存在は確認されたのに何として存在しているのかが決まっていない。」

ここには存在と分類のずれがある。

さらに、かつて惑星だった冥王星は、2006年に準惑星へ再分類された。

天体そのものが変化したわけではないのに、人間が定義を変更したことで存在のカテゴリーが変わってしまった。


06|日本・都市・自然と人工物

題:渋谷のビルの中に、タヌキやコウモリが暮らす小さな森を作る。人間も森の生き物になる

概要: 10月29日15時、渋谷ヒカリエで開催する参加型アートイベント「渋谷 to 森」の詳細が発表された。開催予定は10月31日〜11月8日。

アーティストの長谷川仁が、渋谷ヒカリエの歩行者デッキにある植栽エリアを「小さな森」に見立てる。

そこには、渋谷に生息するオシドリ、アブラコウモリ、タヌキ、そして人間などを描いたパネルが展示される。

さらに、参加者が描いた生き物の絵を小さな電車に乗せ、森の中を走らせるワークショップも開催予定。

アーティストは、生き物同士が互いにつながり、生命が循環していることを表現したいと説明している。

URL: PR TIMES|渋谷に生き物の森を作ろう

voidポイント: 渋谷は巨大な人工都市として認識されている。

しかし、その都市の中にも人間以外の生物が暮らしている。

普段は見えていないだけで、都市は人間だけの場所ではない。

そして今回の企画では、人間もタヌキやコウモリと並ぶ一種類の生き物として扱われている。

「人間が作った都市の中で人間が生き物の一種類に戻る。」

さらに、小さな森の中を走る電車という構造も面白い。

本来は都市の移動手段である電車が、ここでは生命の循環を表現するための装置になる。


07|日本・現代美術・目的の喪失

題:棒高跳びのポールを、国立競技場から渋谷パルコまで運ぶ。跳ぶためではなく、運ぶために運ぶ

概要: 10月29日14時、渋谷PARCOで開催中のアーティストデュオMESの個展「レイ/RE-I」に関連するイベント情報が発表された。個展は10月24日から11月16日まで開催。

その関連イベントとして、11月4日に「REVOLIC -Revolution Holic/革命中毒」が開催される。

このイベントでは、アーティストのトモトシが「国立競技場からパルコまで棒高跳びのポールを運んでみる」というツアーパフォーマンスを予定している。

国立競技場の五輪モニュメント前に19時集合し、渋谷PARCOへ向かうという企画だ。

URL: PR TIMES|MES個展「レイ/RE-I」関連イベント情報

voidポイント: 棒高跳びのポールは、高く跳ぶための道具である。

しかし、今回のパフォーマンスでは、そのポールを運ぶこと自体が目的になっている。

本来の機能は使われない。

ポールは、跳ぶための道具から、運ばれるための物体になる。

「跳ぶための道具を、跳ばずに運ぶ。」

さらに興味深いのは、国立競技場というスポーツの象徴的な場所から、渋谷PARCOという商業・文化施設へ移動すること。

スポーツのための道具が、スポーツの文脈から離れて都市の中を移動するだけで現代美術になる。


所感

01のAIヒューマノイド、03の見えないデジタル労働、07の棒高跳びのポールについて。

この3件はいずれも「行為の主体と目的」に関係しています。

人間が行っていた芸を人間以外の存在が行ったり、人間の労働が自動化された仕組みの背後で見えなくなったり、棒高跳びのポールが跳ぶという本来の目的から切り離されて運ぶという行為そのものが作品になっていたり。。

これらから、「人間がいなくても、人間の行為が成立する」、「本来の目的がなくても、行為そのものが成立する」という2つのvoidみが見えます。

この二つを組み合わせると、

「目的を持たない行為をAIに実行させたとき、それは作品になるのだろうか?」

という問いが生まれます。

例えば、AIヒューマノイドに棒高跳びのポールを持たせ、国立競技場から渋谷PARCOまで歩かせる。

人間が実行すれば、現代美術のパフォーマンスとして成立するかもしれないが、ロボットが実行した場合はどうか?

ロボットにはその行為が無意味であるという自覚がないかもしれない。

しかし鑑賞する人間がいればその無意味さを感じ取ることができる。

「無意味だと理解していない存在が、無意味な行為を実行することで、無意味さを表現できるのか?」

ならば、鑑賞する人間すらいなければ?人目につかずポールをヒューマノイドに運ばせる労働を強いる。

01のAIヒューマノイド、03の見えないデジタル労働、07の棒高跳びのポールを組み合わせた思考実験がはじまります。