虚シコウ

粗い構成!薄い内容!ほとばしる素人意識!AI社会で虚快に暮らすヒント!

見知らぬ通行人に将来の夢を問われるシュール免罪符君

シュール免罪符君「…ある日、道をシュールに歩いていたら、ベタな凡人が突然目の前に現れて話しかけてきたんだ。」

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凡人「あなたの将来の夢は何ですか?(大声)」
シュール「え?」

凡人「ああ、すいません突然切り出してしまって。そりゃ驚きますよね、『普通』。自己紹介からはじめるのが『普通』でした。えーと私は…」
シュール「……いえ、いやあのその、あの全く驚いてないです、ええ、逆に普通ですね、うん、いやその、もし突然話しかけられなかったらどうしようかと思っていましたよ、いや本当に、うん。ああの、まあシュールなんでね私は、すいませんね、ハハハ(早口)」
凡人「さっさと答えてくれませんか?」
シュール「え、初対面なのにその口の利き方は失礼では…」
凡人(ジッと睨みつけてくる)
シュール「……って普通の人なら考えちゃうのでしょうが、私は違いますね、ええ、代わりに晩ご飯を何にするか考えていました。それも、昨日の晩ご飯です。如何せんシュールなので。…で、質問は何でしたっけ?」

凡人「あなたの将来の夢をお尋ねしています。」
シュール「…(…シュールな回答、シュールな回答……)ちょっと考える時間をください。……(シュールに、シュールな、……
…『辛いものを食べても辛いと言えるようになる』違う!多分伝わりきらない!
…『夢を考えるのが夢です』違う!ただスカしてるだけ!
…『Excelのイルカです』違う!もはやベタ!…)」
………

凡人「……もういい加減答えてもらっていいですか?」
シュール「…いや、あなたが先程『さっさと答えて』とおっしゃっていたので、逆にゆっくり答えてやろうというね…すいません、シュールな感じにしちゃって。(次第に調子を取り戻す)」
凡人「答えろ」
シュール「マンホール。」
凡人「? マンホールになりたい、ということでしょうか?」
シュール「いいえ、『マンホール』です。マンホールになりたくはないです。そもそも、私は人ですし、今手持ちのお金も少ないので、マンホールになることはできないと思います。」
凡人「…たしかに。では、マンホールの中に住みたいということですか?」
シュール「いいえ、ですからそうではなく、私の夢は『マンホール』です。マンホールの中は暗いので苦手です。それに今手持ちのお金も少ないので、マンホールには1秒たりとも住みたくないです。」

凡人「ふーん…マンホールに住んでいるのに、ですか」
シュール「は?」
凡人「あなたは今、マンホールに住むマンホールじゃないですか。それでも将来の夢として『マンホール』を選択するとは…なるほど、たしかにあなたはシュールですね」
シュール「???」
凡人「私のような凡人には追いつけない感覚ですね。回答ありがとうございました。でも一つだけ許せないことがあります。」
シュール「??」
凡人「突然自分の将来の夢を語り出すのはやめてください。興味無い話を聞かされてとても辛かったです。それでは」
シュール「???」

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「…という事があってね。人からシュールですねと言われちゃったって話。ホント困っちゃうよ、シュールが抑えきれなくて」と、シュール免罪符君は嬉しそう。