虚シコウ

粗い構成!薄い内容!ほとばしる素人意識!AI社会で虚快に暮らすヒント!

ベタのシュール化:"One for All, All for One"

"One for All, All for One" とは、良きチームプレイの精神を表すために擦られまくったフレーズである。
これを題材とした、既存ではない展開のストーリーを考える。

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4人組のバンドがライブで熱くなり、メンバー愛が爆発して
"one for four! four for one!(1人は4人のために、4人は1人のために)"
と声を上げます。
彼らを傍からみたら"one-four-four! four-four-one!"、つまり「144! 441!」と叫ぶ平方数だいすきクラブに映るのは当然です。

やがて「平方数のパートだけ聴きに来ました」「今日も平方数最高でした!あと関係ないけどギター上手ですね」と話しかけてくるファン達に嫌気がさしたメンバーが1人、また1人とバンドを抜け、2人だけが残ります。
自分も抜けようか、解散してしまおうかと悩んだ夜を越えて、またステージで叫びます。
"one for two! two for one!"
ざわつく聴衆。「142も241だ!? なんだその汚ぇ数は!」「俺達はただ素因数分解をしに来ただけなんだぞ、望まれねえ数しか出せないなら帰れ!」ブーイングの嵐。
そんな中、誰かがポツリと呟きます。
「あ、でもあの2人がバンドに戻ってくれれば…」
「ん」他の客も気づき始めます。
「142+2=144=12^2、241+2=243=3^5。…なんとも綺麗じゃねえか! おい、やっぱりこのバンドにはもう2人の力が必要なんだ! 頼むから帰ってこいよ!! 呼び戻せよ、また4人でやってくれよ!!」

「……!!、(涙ボロボロ)、グズッ(涙)、4人で……また4人で……バンドやります!!」

そしていつものライブハウス。照明、パッと明らむステージ上。そこにはあの頃と同じ、4人が…って、あれ……

「68人⁉︎」
「はい、私たち、あの頃と同じ68人で帰ってきました!ワーイ!」
「えっ」
「えっ」
「いや、だって、いつも言ってたじゃん、"One for All, All for One" って… 最近も「また4人で」って…」
「あ、それは普通に、はい。」
「」
「  普通に。」
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